今日で安倍晋三首相の通算在任期間が2886日となり歴代トップに並んだ。日本では長期政権と言われるが、アメリカ合衆国では大統領を2期務めると8年(≒2918日)となるから、それと比べれば極端に長いわけではない。ドイツのメルケル首相などは2005年以来だから今月で丸14年だ。ロシアのプーチンも、中国の習近平も、みんな長いぞ。

 これまでの通算在任期間トップは、長州(今の山口県)出身、第11代、13代、15代の桂太郎なんだが、それほど有名ではないな。中学校の歴史教科書にはチラッと名前が出てくる程度だ。
 間の12代、14代は西園寺公望(さいおんじ・きんもち)で、「桂・西園寺・桂・西園寺・桂」となり、この時代を桂園時代(けいえん)と呼んだりする。
 西暦で言うと、1901年6月から1913年2月までだ。
 
 桂や西園寺の一世代前の政治家としては伊藤博文(初代、5代、7代)や山縣有朋(3代、9代)が有名だが、桂は山縣の流れを汲み藩閥政治を、西園寺は伊藤の流れを汲み政党政治を指向していた。と、とりあえず分類。

 前置きが長くなったが、桂自身は有名じゃなくても、この時代は結構大きな出来事があって、高校入試にもよく出ておるぞ。というのが今日の本題だ。

 1902年 日英同盟締結
 1904年~05年 日露戦争
 これ、第一次桂内閣の時代。

 1910年 韓国併合
 1911年 関税自主権完全回復(条約改正の終了)
 これ、第二次桂内閣の時代。

 さらに言えば、第三次桂内閣は2、3か月で倒れるんだが、これが第一次護憲運動によるもの。

 いろんなことがあったんだね。歴史の必須事項満載の時代。
 だからさ、「桂太郎を抜いた。ふーん」じゃなくて、せっかくだから、桂の時代を勉強してみようよ。

 ついでに言えば、この後、大正デモクラシー、第一次世界大戦(ロシア革命・ベルサイユ条約・国際連盟・ワシントン会議)、21か条要求、シベリア出兵、米騒動、原敬の政党内閣、治安維持法・普通選挙法といった具合で、日本で言う大正時代は、短いわりにこれでもかというくらい入試に出ているわけだよ。
 悪いことは言わん。大正時代やっとけ。