大相撲では白鵬一強。近年はさすがに全盛期ほどの力はないと見えるが、それでも強い。横綱在位は2007年7月場所からだから、何と12年も最高位に君臨しているわけだ。
 なぜこれほどの長期在位が可能になったかと言えば、相手が弱いからである。白鵬が強いから相手が弱くなったのではなく、相手が弱いから相対的に強者の立場でいることが可能になった。

 一強ではつまらない。
 たしかにそれはある。結果が見えている勝負ほどつまらないものはない。
 責められるべきは、他の弱い力士たちだ。テメエらが強くならないから相撲が面白くならねえんだよ。

 で、話は政治の世界へ。
 安倍一強は誰が作り出したか。
 本人の才能と努力か。それもあるかもしれないが、政治の世界からはるか遠いところにいる私には、そのあたりよく分からない。
 ただ、国政選挙6連勝、それも大差という現象が起こっている以上、その原因は相手が弱過ぎるからと言わざるを得ない。

 マスコミは野党に甘い。
 基本的な立ち位置として野党寄りというのはいいだろう。新聞もテレビも全部政権寄りなんていうのは気味が悪い。
 にしても、甘やかし過ぎ。
 テメエらが強くならないから安倍一強になるじゃねえか。原因は誰にあるか考えやがれ。
 枯葉舞うころになっていつまで花見の話やってるんだ、と野党を叱咤する声を上げるどころか一緒になって騒いでいる。
 安倍一強の驕りが見えるというが、驕ってたら長期政権はできないよ。白鵬だって、勝って驕らずだから長期在位が実現できたわけだ。

 強い者に厳しく言うのは悪いことじゃない。批判結構。
 だが、弱い者が練習して、稽古して、努力して強くなれば、これが強い者にとって一番の脅威になる。

 よし、決まった。
 弱い者を甘やかさんぞ。もっと強くなってもらおうじゃないか。
 弱い立場に安住するのはまずい。己を鍛え直して強者の前に立ち塞がろう。

 と言っても、政治に関わろうというのではない。いま自分がいる世界で、そういう役割を担えればいいなと思っているのである。