うちの学校は取り立ててアピールできるようなことはない。
つまり「売り」がない。
そう考えている皆さん、だったら普通であることをアピールすれば。
そんな話をしようと思う。
「売り」が無ければ「売り」を作ればいいじゃないか。
一般的にはそのように言われる。
そうだと思う。
では、どんな「売り」を作ればいいのかとなるが、ここで悩む。
こんなのどこの学校でもやってるよな。
別に珍しくないよな。
やってて当たり前だよな。
と、なって、わが校だけの特色が見いだせない。
であれば、無理に変わったことをやろうとせず、普通であることを売り物にすればいい。
そういう考え方もある。
なぜなら、「平凡で」「何の変哲もなく」「ごく平均的で」「世間並み」の学校がいいと考えている受験生・保護者は少なくないからだ。
うちの学校には、特別とか特殊とか斬新とか言えるものは無いですね。
かと言って異常とか奇抜というものもありません。
何もかも普通です。
そもそも学科からして普通科ですし。
生徒は朝、普通に時間通りにやって来ます。
授業中は、普通に先生の話を聞いて、普通にノートを取って、普通に話し合って、普通に質問して、普通に発表しています。
最近は普通にタブレット使っています。
お昼になったら普通にみんなで楽しくお弁当食べて、放課後になったら普通に部活動やって、普通に寄り道せず帰宅しています。
行事のときは普通に盛り上がっています。
友だち同士は普通に仲良くやって、先生たちとも普通にコミュニケーションしています。
進路のことも普通に考えて、普通に努力して、普通に実現しています。
何もかも普通で、それで楽しいのと聞かれますが、みんな普通に学校生活を楽しんでいます。
というような学校には魅力がないのか。
そんなことはないだろう。
決して特別ではないが、かと言って異常でもない。
そんな学校に行きたいというニーズは間違いなくあるだろう。
そこをターゲットにするのも一つの手だ。
と、ここまで書いて一つ思い出した。
もしかしたら以前に書いたかもしれないが、あるパーティで中華チェーン日高屋の創業社長と話す機会があった。
私が「よく利用させてもらっています」(これホント)と言うと、社長は「うちの店どうですか」と聞いてきた。
私は、「まあ、普通に旨いと思います」と答えた。
しまった、もっと気の利いたことを言えば良かったと後悔したが、言ってしまったことは仕方ない。
すると社長、「そうですか。それは良かった」と言うではないか。
はっ?
何言ってるか分からない。
「うちが目指しているのは、正にそこなんですよ。普通はうちの店にとって最大の誉め言葉ですよ」
「値段も味も、あなたの言われるようにまあ普通です。でも、普通だからこそ何度も足を運んでもらえるんです」
「特別な店には特別な時にしか行かないでしょう」
なるほど。
普通をきわめるという戦略もありなんだ。
と、教えられた。
普通は必ずしも弱みではない。
普通という言葉を自虐的に使っている皆さん。普通科の普通の学校の普通の先生方。
もしかしたら、普通も考えかた、やり方次第で強みになりうる。
無理して特殊や特別に走るより、普通を極めたほうが早いかもしれない。
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