組織における仕事には「誰がやるか問題」が付き物である。
 私のように個人で仕事している場合、このような問題は発生しない。
 やると決めたら自分がやる。
 他の選択肢はない。

 古くから行われている仕事は校務分掌に組み込まれ、担当者が決まっている。
 時間割は誰が組もうかなどとやっている学校はないわけである。

 「誰がやるか問題」が発生するのは、新しく加わったり、広がったり、増えたりした仕事である。
 新しく加わった仕事について、まず考えられるのは、既存の分掌に割り当てることだ。
 その場合、「とりあえず教務」というのは、ありがちなことだ。
 それも無理なら「仕方ないから教頭」となる。

 複数の既存分掌に関わる新しい仕事の場合、プロジェクトチーム(委員会)が作られることがある。
 これをやり始めると、やたら委員会が増える。
 委員会が増えると会議が増える。会議が増えると決定から実施まで時間がかかり、非効率である。

 世の中が変わり、学校に求められることも変ってきた今、時代に合わせた組織再編成が必要だろう。
 その際大事なのは、スクラップ&ビルドの考え方だ。
 一つ減らして一つ増やすという考え方だ。

 私なりに考えた、これからの学校に必要な組織は次の三つだ。
 1 広報コミュニケーション部門
 2 人事・採用部門
 3 教育DX、ICT、データ部門

 1 広報コミュニケーション部門
  昨日も書いたように、広報活動の対象には卒業生や、在校生保護者なども含まれるから、渉外部の仕事はここに吸収できるだろう。
  地域連携なども広報が扱っていい内容だ。

 2 人事・採用部門
  公立学校の場合、これらは学校単独で行うものではないが、これだけ人材不足が言われている時代だ。
  教員確保を校長の個人的人脈ばかりには頼っていられない。
  教員の資質向上を図るのも、離職者を減らすのもこの部門の仕事だ。

 3 教育DX、ICT、データ部門
  これはもう言わずもがなで、すでにこうした部門を新設している学校も多い。

 話が広がり過ぎたが、私に関係するのは、広報活動の「誰がやるか問題」だ。
 広報に関する仕事は、公立だと校長や教頭といった管理職にかなり負担がかかっている場合が多い。
 むろん管理職が関わったり、積極的に動くのはそれ自体は悪くない。
 だがこれは、誰にも頼めないことの裏返しでもある。
 であれば、頼める部署を作ればいい。

 以上、組織に属さない自由人による組織論である。