秀明中学校(川越市)に在籍していた少年(16)が寮で火遊びをして退学処分になったのは違法として、少年が学園に約277万円の損害賠償を求めた訴訟で、さいたま地裁川越支部(斎藤憲次裁判長)は「退学処分は裁量権を逸脱し違法」として、学園に約194万円の支払いを命じる判決を言い渡した。判決は13日。学園は控訴している。
―以上、埼玉新聞からの引用―
秀明(しゅうめい)中学校は、首都圏ではめずらしい全寮制の私立中学校。
全寮制だから当然と言えば当然だが、入学者の出身小学校を同校HPで確認してみると、埼玉県及び首都圏が多いものの、北海道から沖縄県まで全国から集まっていることが分かる。医進コースを設けており、医学部狙いを一つのウリにしている一貫校だ。地方からやってくる生徒の中には開業医の子弟も多いと聞いている。
裁判の方は、学校側が控訴しているので、地裁とは異なる判決が出る可能性もある。
はたして退学処分は妥当だったのだろうか。
「泣いて馬謖を斬る」という言葉があるが、退学処分は生徒だけでなく学校側にとってもきわめて重たい判断である。できればこの処分は行いたくない。
それまでの学習態度や生活態度にどれほど問題があっても、また、当該事案がいかに重大な危険性を秘めたものであったとしても、本人が深く反省し、改善の意思を示せば、そこに一縷の希望を見出し、最悪の決定を回避したい。
「全部反省してもう一度やり直したい。やり直しさせてほしい。死ぬ気でがんばる」
頼むから、そう言ってくれ。
学校側、先生側としては、そんな気持ちだったんじゃないか。と、学校経験者としては、そのように想像するわけである。
生徒たちが何をやっても許されるとは言っていない。一発退場ってことだってある。
ただ、何もかも未完成な人間未満のガキどもを、真っ当な人間にして世の中に送り出してやろうというのが学校であるから、世の中では許されなくても、学校じゃ大目にみてやるということがあってもいい。
何度だまされても、何度裏切られても、それでも生徒を信じたいと思うのが先生というものですよ。その先生たちが、ある意味、自らの敗北を認める形で退学という重たい決断を下したわけでしょう。違法だから損害賠償しろと言われてもね。
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