しっかり部分点を取ろう。その通りだ。しかし、「しっかり」ではどうも曖昧なので、数字で解説してみよう。
このブログは埼玉中心なので平成31年度埼玉県公立高校入試で見てみる。
「内容に応じて部分点を認める」問題は何問あったか。配点は何点だったか。
なお、国語では他の4教科と異なり「内容・表現に応じて部分点を認める」となっている。
▽国語 5問 計38点
▽数学 4問 計24点
▽英語 6問 計30点
▽理科 7問 計30点
▽社会 7問 計35点
▽数学(学校選択) 5問 計30点
▽英語(学校選択) 6問 計29点
国語は作文(16点)を含んでいる。また、英語は作文(10点)のほか「採点上の注意による」とされている問題を含んでいる。
問題数では、理科・社会の7問がもっとも多く、数学(学力検査)がもっとも少ない。
配点では、国語がもっとも多く、数学(学力検査)がもっとも少ない。
数学(学力検査)は問題数・配点共に少ないが、数学(学校選択)は他教科に比べ、特に少ないということはない。
ざっくりとした言い方をすれば、配点の3分の1は「部分点を認める問題」であり、すなわち文章(または数字・数式)で解答する問題である。
だから、これらの問題で「しっかり」得点しよう。
理科・社会では、どの程度のボリューム(字数)が要求されているか。
県教委が発表した「採点の手引き」(公開資料である)に示された正答の文字数(句読点除く)は次のとおりである。
▽社会
大問1問4 28字
大問2問4 41字
大問3問5 21字
大問4問3 31字
大問5問2 29字
大問5問7 28字
大問6問4 42字
最高42字、最低21字、平均31.字。和歌(短歌)と一緒。だらだら長いのは余計なことを書いているか、簡単な漢字を平仮名で書いているかである。
▽理科
大問2問2 21字
大問2問5 11字
大問3問4 30字
大問3問5 53字
大問4問4 129字 (過程説明)
大問4問5 88字 (過程説明)
大問5問5 97字 (過程説明)
後半3問は、計算の過程などを説明する問題なので文字数は多くなる。
前半4問では最高53字、最低11字、平均29字。こちらも長い長い説明は求められていない。
書いただけでは点数にならない。
▽理科
大問4問4 無答率35.1% 誤答率40.9% 一部正答率10.6%
大問4問5 無答率25.2% 誤答率47.0% 一部正答率7.6%
大問5問5 無答率51.5% 誤答率41.3% 一部正答率2.5%
ここでは理科の後半3問のみ取り上げてみる。かなり極端な例だが、必ずしも書いただけでは点数になっていないことが分かるだろう。
厳しい言い方をすれば、ほぼ正解が分かっていた者、正解に限りなく近づいた者だけに与えられるのが部分点である。
精神論としては、あきらめずに部分点を取りに行こうということで構わないと思うが、部分点を取りに行ったのでは部分点は取れず、満点を取りに行かない限り部分点は取れないのである。
以上が、本日の結論だ。
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