ココア新発売のお知らせ。ココアと言っても森永やバンホーテンではなく厚生労働省からの発売だ(無料だけど)。
 厚生労働省は6月19日「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COVID-19 Contact Confirming Application)」をリリースした。頭文字をとれば、なるほど「COCOA」となる。

◆ホイホイと調子に乗ってインストール
 ではさっそく試してみよう。
 App StoreかGoogle Playでアプリを探す。ここは使い慣れたApp Storeで行ってみよう。「接触確認」で検索。すぐに見つかる。
 さてインストール、と思ったらOS 13.5以上が必要と表示された。クソッ、OSのアップデートが必要なのか。これ結構時間がかかるんだよ。

 はい、OSの準備完了。
 無事インストール。ささっと設定完了し、「陽性者との接触を確認する」をタップする。答え、「陽性者との接触は確認されませんでした」。
 なんだ、これで終わりかと思いつつアプリについての説明を読んでみる。
 順序逆じゃねえの?
 いいんだ。これがいつものやり方だ。

◆感染者が登録しないと意味がない
 なるほど。これはGPSじゃなくBluetoothを利用するわけだ。そう言えば、設定の途中にBluetoothをオンにするというのがあった。
 陽性者と接触があった場合、通知が来るわけだが、その陽性者自身がこのアプリに登録していればという条件付き。陽性者がワシャ登録せんぞ、と言ったらこのアプリ、意味がないってことだ。
 仮に陽性者が登録したとして、その陽性者と過去14日間に概ね1m以内で15分以上の近接した状態(の可能性)にあった場合、通知される。
 陽性者の誰それさんと接触しましたといった個人情報が通知されるわけではない。そもそも自分自身だって名前や電話番号、メールアドレスといった個人情報は登録していないのだから当然だ。

 それにしても。
 現在国内感染者は800人ほどだ。埼玉県では20人ほど。これらの人々が全員スマホを常時携帯し、かつ登録をしていないと濃厚接触があっても通知は来ない。
 埼玉県民だけでも734万人いるわけだが、この中の十数人とどうやったら濃厚接触できるのか逆に教えてほしいよ。
 入れてはみたものの、あまり必要性を感じないアプリだ。

 このアプリを受注したのは人材サービス会社パーソルホールディングスの子会社であるパーソルプロセス&テクノロジーだ。パーソルは昔のテンプスタッフだね。人材派遣会社が関係の深い厚生労働省から仕事を受けるのは、まあ理解できる。アプリ開発そのものは無償だというから、ここに不正があるとは思えない。

◆監視社会への予行演習
 心配は別のところにある。
 結論を先に言っておくと、「監視社会」への入口になるかもしれないということだ

 リリース初日の19日23:30現在、このアプリには85万件の登録があったそうだ。私のようなお調子者がこのくらいはいるということだ。
 今のところ、アプリ内で完結するシステムであるから個人情報が政府や自治体によって個人情報が管理されることはない(たぶん)。
 だが、GPSを組み込み、個人情報を登録させれば、政府や自治体による個人監視が完成する。そう考えると今度の「COCOA」は、その練習問題ないしは予行演習ではないかと見えてくる。少しずつ慣らして行こうという作戦。

 いかん。まんまと作戦に引っ掛かってしまった

 「アプリを周りの人に知らせる」という機能がついていて、ラインやツイッターやメールで友達に知らせることができるようになっているが、それはやめておこう。