横文字好きは小池百合子都知事だけではないらしい。文部科学省がまたまた変な横文字を持ちだした。
 スクールポリシー。

―以下、共同通信記事からの引用-
 文部科学省が全国の高校に対し、学校ごとの教育方針を示す「スクールポリシー」の策定を義務付ける案をまとめたことが15日、関係者への取材で分かった。学校目標などを掲げている高校は多いが、抽象的で、校内外に浸透していないといった指摘が上がっている。ポリシーを公開して学校の特色を明確にし、中学生の進路選択を助けるなどの狙いがある。
-以上、引用おわり―

◆「教育方針」とどこが違うのだ
 そこ、なんで横文字(カタカナ語)なのよ。
 ポリシーは方針だから、そのまま「教育方針」でいいじゃない。
 だったら、どこに学校にもすでにあるよ。
 校訓や建学の精神(私立の場合)があって、教育目標・教育方針がある。授業の計画も、行事や部活の計画も、全部これらに基づいて作られている。「教育方針」が定められていない学校なんて聞いたことがない。

 なのに、新たに「スクールポリシー」なるものを策定しろと言う。さらに策定を義務付けるという。
 今までの「教育方針」では不満だと言うのか。「教育方針」と「スクールポリシー」とは、どこが違うのか。
 現場の先生方は、ふざけるな!と思っているだろう。また余計な仕事増やしやがってと憤っているだろう。

◆単に広報活動が不足しているだけだ
 記事によれば、「学校目標などを掲げている学校は多いが、抽象的で、校内外に浸透していないといった指摘が上がっている」そうだ。
 「学校目標などを掲げている学校は多いが~」って、そこ「多いが~」じゃないんだよ。繰り返すが、学校目標のない学校なんてあるわけない。
 「抽象的で~」って、そもそも目標や方針って、そういうもんでしょう。
 「校内外に浸透していない~」って、これもおかしい。「外」はともかく、「内」に浸透してなきゃ日々の教育活動ができない。教員間では常に確認しているし、生徒にだって年中言い聞かせている。
 ただ、「外」に浸透していないというのは、ここだけは確かにそうかもしれない。
 しかしこれは、広報活動が不足しているからであって、「教育方針」を「スクールポリシー」と言い換えたところで解決できる問題ではない。

◆ポリシーは公開されている
 記事によればさらに、「ポリシーを公開して学校の特色を明確にし、中学生の進路選択を助ける狙いがある」ということだが、公開されてますよ。
 学校ホームページを見れば、どこの学校だって目標や方針を掲げているし、校長挨拶の中で詳しく解説している。ただ、読まれてないだけ。
 読者の皆さんは埼玉県関係者が多いと思われるので、とりあえずコチラを見ていただこう。
 「学校の活性化・特色化方針」  
 以前にも紹介したが、ここには学校ごとの基本情報や教育目標・方針がまとめられている。
 各学校のページに飛べば、すべての県立高校が、下図のような方針を掲げている。
 
 これで十分だろう。
 あとは、校内的にはどれだけ達成できるか、対外的にはどれだけ広められるかだ。