今日は2件の取材のため昌平高校へ。午前中は「よみうり進学メディア」11月号のための授業取材。午後はサッカー部生徒のJリーグ入団記者会見。
「入試専門のオマエが何でサッカー選手の入団記者会見に行くんだ」、と思われるだろうが、私は高校スポーツ全般に興味があるのだ。それに、毎回取材に来ませんかと声がかかる。
呼ばれたら行く。
これが私のスタイルだ。
◆IB授業は驚きの連続
授業取材は、IB(インターナショナルバカロレア)コース。
IB認定校は今後増えてくると予想されるが、今のところ埼玉県内私立では昌平だけだ。
IBについては、言葉としては知っているが内容まではよく分からないという人は、とりあえずココを見るといい。私も取材のため、ココで予習した。
文部科学省IB教育コンソーシアム
今日見学したのは、高校2年の「知の理論」(Theory of Knowledge)という授業だ。
(スタートして2年目なので、まだ3年生はいない)
そういう科目があることを、不勉強な私は初めて知ったのだが、これはIBの中核をなす必修科目だ。
日本の学習指導要領にはないが、強いて言えば「総合的な探究の時間」を真面目に追求し、アクティブラーニングを極めれば、こんな形になるのではないか。
学際的である。教科横断的である。
よって、自然・人文科学から芸術まで広範なテーマを扱うこの科目は、3単位(週3時間)の授業を3人の先生で分担している。
ディスカッションの多い授業だが、生徒の話し合いの様子を見て、私はかれらの語彙の豊富さにぶっ飛んだ、いや驚嘆した。
高校生の使う言葉じゃないな。
自分は高校時代、知っていたかもしれないが使ったことはなかった。
かれらはそれを日常語としている。
そして、さらに驚くのはその論理性。
普通、高校2年なら、もうちょっと話がばらけるもんだぞ。
何だってそんなふうに筋道立てて話せるんだ。
とまあ、驚きの連続であったわけだが、皆さんも機会があれば実際の授業をご覧になるといい。
(もうちょっとコロナが落ち着いてから)
日本の新しい学習指導要領がめざすのは、この方向なのかもしれない。
◆Jリーガーを出し続ける秘密は
午後は入団記者会見だ。
新聞各紙とテレビの取材が入っていた。
ここ5,6年、毎年のようにJリーガーを輩出しているが、今年は鹿島アントラーズ2人を含め計4人。
野球では花咲徳栄の選手が毎年ドラフトで指名されているが、サッカーは昌平の独壇場だ。
そうそう、その野球の方も秋季大会優勝は昌平だった。
今の勢いだと、春の選抜初出場もあるかもしれない。
で、サッカーに戻るが、今年の4人は全員170㎝以下。
大型化するスポーツ界において、こんな小さな子たちがやっていけるんだろうか。
と思うが、プロのスカウトが目をつけるんだから、何かを持っているだろうね。
選手の発言の中で印象に残ったのは、「昌平のサッカーには約束(事)がない」という言葉。
へえ~、そうなんだ。
自由にやっていいんだ。
「オマエは体が小さいから、こうしろ」とは言われないんだ。
結果、劣等感を持つことはなく、自分の発想で自分の個性を思う存分伸ばしたらJリーガー。
こいつは痛快だ。
行く時は、一日に2つの取材が出来て手間が省けたな、などと調子のいいことを考えていたが、帰り道でふと思った。
躍進を続ける昌平高校を象徴する2つの側面、それもある意味対極にある2つを同時に見られてラッキー!
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