ジョー・バイデン氏。1942年11月生まれ。間もなく78歳。私より9歳年上。って、米国大統領と自分を比較してどうする。
 私は政治のことは専門外であるし、しかも他国のことなので、それについて特に論評することはないが、今回の大統領選が74歳対78歳の争いだったことに注目している。

 もっと若いやつはおらんのか。

 と、他国のことを言う前にわが日本の現状をかえりみれば、つい最近71歳(12月で72歳)の菅義偉首相が誕生したばかりである。二階敏博・自民党幹事長が昭和14年生まれで年明け2月に82歳、麻生太郎・財務大臣が昭和15年生まれの80歳。
 退任した昭和29年生まれ66歳の安倍晋三・前首相が若僧に見える。

 わが国で70歳を超えて初めて首相に就任した事例がどれだけあるのか調べてみたら、予想以上に多かった。
 幣原喜重郎73歳、鳩山一郎71歳、石橋湛山72歳、福田赴夫71歳、宮澤喜一72歳、村山富市70歳、福田康夫71歳。
 さすがに70代後半はない。

 だが、人の寿命が延びたので、これからは70代後半や80代のトップリーダーが続々登場しても何ら不思議ではない。
 そう考えると、史上最高齢大統領の登場は、一向に進まない世代交代の象徴として見るより、新しい時代の幕開けと見たほうがいいかもしれない。つまり、70代や80代が現役バリバリで活躍する新しい時代だ。
 最近私も「老害だ」「年寄り引っ込め」とよく言われるが、そういう発想こそが時代遅れなんじゃないの。

 死ぬまで働かせる気か。
 そのような考え方をする人は、適当なところでリタイアされたらいいだろう。
 それが可能な社会を作るのは好ましいことだ。
 ただ私自身は、仕事を辞めた瞬間呆けてしまった父親を見ており、無理にやめさせるんじゃなかったと後悔しているから、働く意思がある者が生涯現役を貫ける社会もいいものだと思っている。

 つい最近のことだが、70過ぎのジジイに説教してやった。
 むろん向こうの方が少し年上だが、ここまで来たらみんな一緒だ。

 以下、説教タイム。

 いいかい。今は下手をしたら80か90まで生きちゃう時代だ。まったく厄介な時代だぜ。
 まあ運が良ければ、あと4、5年でこの世とおさらばできるが、あと20年くらい人間やらなきゃいけない。
 まさかこの年になって将来を考えようとは思わなかったよ。
 生き方だの働き方だのは若い連中が考えればいいことで、俺たちは死に方だけ考えりゃよかったはずなんだがな。

 さて、あと10年、もしくは最悪のケースとして20年から25年をどう生きるかだ。
 今の知識や技術、今までの経験では乗り切れなかもしれない。いや、乗り切れない。
 なにせ世の中の進歩は早いからな。

 そうすると、何か新しい知識を吸収し、新しい技術を習得しなければならない。
 「何も、今さら」
 って。だからさ、俺たちにとって「今さら」じゃなく「今から」の時代が来ちゃったんだからしょうがないじゃないか。

 振り返ってみれば、ある一つのことを3年も続ければ、それなりに形になったじゃないか。
 石の上にも三年。
 ん、使い方間違ってるか?

 でもって、5年も続ければそこそこ金にもなったし、10年続ければいっぱしのプロになれたじゃないか。
 3年とか5年とか10年という歳月はそういうものだった。
 でね。われわれは幸か不幸か、今、10年とか20年という時間を持っているわけだ。
 さあどうする。
 「今さら」なのか「今から」なのか。

 俺は挑戦という言葉はあまり好まないが、このままというわけにも行かないみたいだから「今から」始めるよ。
 あんたも、昔話ばかりしてないで「今から」やろうよ。

 以上、説教終わり。