昨日は半分冗談で「2番はダメなんです」の話をしたわけだが、今日はもう少し真面目にこの問題を考えてみよう。
 日本で一番高い山は富士山、2番目は北岳。
 日本で一番面積の広い県は北海道、2番目は岩手県。
 日本で一番広い湖は琵琶湖、2番目は霞ケ浦。

 まあ本ブログ読者は先生が多いと思われるので知らなかったという人はいないと思うが、一般には2番目の知名度は極端に低い。
 野球やサッカーのようなスポーツだって優勝チームは思い出せても、よほどのファンでなければ2位以下は思い出せない。
 よって何事も一番になることが重要なのである。

 一番になるためのもっとも確実な方法は一番乗りすることである。
 マーケティング戦略ではあえて「2番手戦略」をとる場合もあるが、とは言っても2番であって7番や8番ではない。
 後発が先発を追い越すのは至難である。

 という話をすると、必ず先発組がこけたケースや、後発組が成功した例を持ち出すやつがいるが、そりゃあるだろうよ。
 始めた順番がすべてを決めるわけじゃない。
 そんなことは分かっている。
 でも、どんな世界でも一番乗りが有利で、一番乗りが勝ちやすく、一番乗りが儲かりやすいのだ。 
 そういう確率の話をしている。

 まだどこの学校(塾)もやっていない。
 さあ、どうする。
 「よし今のうちだ。他校(他塾)に先駆けよう」
 「まだ早い。しばらく様子を見よう」
 どっちを取るか。

 まあ私の見たところでは、「今のうちだ派」は何事につけてもそう考えそう行動し、「まだ早い派」はいつでもそう考えそう行動する。
 で、多くの場合、「今のうちだ派」が勝利を収める。

 先発組には勇気がいる。
 参考にすべき事例がなく、その分リスクも高い。
 うろ覚えだが、ユニクロの柳井社長も「他人より先に失敗する」といった話をしていたと思う。
 先に初めて先に失敗すれば、経験が得られ、先に成功に近づくという意味だろう。

 先生はふだん生徒に「失敗を恐れるな」と言っている割に自分のこととなると途端に慎重居士となる。
 そういう私も超慎重派ではあるのだが、先にやることによる失敗と、手遅れによる失敗、してもいい失敗はどっちなんだと考えてみれば、答えは明らかだ。

 一番乗りするためには先見性を持たなければならない。
 そのためには常にアンテナを高く張り、研究を怠ってはならない。
 何でも思いつきでやればいいという話ではない。

 一番乗りを目指しているライバルは多く、実際に一番乗りするのは口で言うほど易しいことではない。
 ただ、一番乗りを目指していれば、悪くても一番手グループに位置することはできる。
 ずっと様子見をしていて、「みんながやっているから、そろそろうちもやるか」では、果実はみんな持って行かれて、食べかすしか残っていない。