令和4年度埼玉県公立入試学力検査まであと4日。
 この時期に不合格者の話をするのは気が引けるが、ここは受験生向けサイトではないので許してもらおう。
 主に私立学校の先生方向け情報だ。

◆不合格者輩出ランキング
 すでに私立学校の先生方は独自に計算をされていることだろう。

 公立受験者の多くが私立を併願受験している。
 そして、公立を不合格になった場合、ただちに私立入学手続きをする。
 一体、その数はどれくらいになるのだろう。
 これは私立学校にとって大きな関心事である。

 というわけで、どの学校からどれくらいの不合格者が出るか。
 普通科中心の計算だが、※印の学校は併設する他学科の状況も考慮している。

【予想される不合格者数】
01 川口市立 288人※
02 市立浦和 272人
03 大宮   208人※
04 浦和西  200人
05 所沢北  194人※
06 蕨    173人※
07 浦和一女 170人
08 越谷北  167人※
09 川越   161人
10 和光国際 152人※
11 浦和南  150人
12 川越南  145人
13 市立川越 145人※
14 伊奈学園 137人
15 越ヶ谷  132人
16 川越女子 126人
17 越谷南  115人※
18 浦和   108人
19 南稜   111人※
20 川口北  95人
21 春日部  93人
22 浦和東  87人
23 与野   84人
24 不動岡  83人
25 入間向陽 74人
26 豊岡   67人
27 川口   58人
25 大宮北  56人※
29 越谷西  52人
30 朝霞西  45人
30 所沢中央 45人
32 熊谷西  42人※
33 鳩ヶ谷  41人
33 深谷第一 41人
33 本庄   41人
36 浦和北  40人
37 大宮南  38人
38 川越総合 37人
39 所沢西  36人
40 熊谷   32人
41 大宮光陵 18人※
42 久喜久喜 30人
43 松山   29人※
44 草加東  27人
44 新座柳瀬 27人
44 松山女子 27人
47 熊谷女子 24人
47 草加南  24人
49 坂戸   23人※
50 志木   22人
51 鴻巣   16人
51 坂戸西  16人
51 草加   16人
54 大宮武蔵野15人
54 春日部女子15人※
56 上尾   14人
57 上尾鷹の台13人
57 上尾南  13人
59 杉戸   11人
60 川口青陵 10人

 10人以上の学校。
 「志願者数-入試募集人員」で計算しているが、今後事前取り消しなどもある。また、予定より多い合格者を出すこともある。さらに、欠員募集で公立に再チャレンジする者もいる。なので、Maxこのくらいという目安である。

◆東西南北、地域別
 同じ数字だが、東西南北で分けると次のようになる。

【東部】
08 越谷北  167人※
15 越ヶ谷  132人
17 越谷南  115人※
21 春日部  93人
24 不動岡  83人
29 越谷西  52人
42 久喜北陽 30人
44 草加東  27人
47 草加南  24人
51 草加   16人
54 春日部女子15人※
59 杉戸   11人

【西部】
05 所沢北  194人※
09 川越   161人
10 和光国際 152人※
12 川越南  145人
13 市立川越 145人※
16 川越女子 126人
25 入間向陽 74人
26 豊岡   67人
30 朝霞西  45人
30 所沢中央 45人
38 川越総合 37人
39 所沢西  36人
43 松山   29人※
44 新座柳瀬 27人
44 松山女子 27人
49 坂戸   23人※
50 志木   22人
51 坂戸西  16人

【南部】
01 川口市立 288人※
02 市立浦和 272人
03 大宮   208人※
04 浦和西  200人
06 蕨    173人※
07 浦和一女 170人
11 浦和南  150人
14 伊奈学園 137人
18 浦和   108人
19 南稜   111人※
20 川口北  95人
22 浦和東  87人
23 与野   84人
27 川口   58人
25 大宮北  56人※
33 鳩ヶ谷  41人
36 浦和北  40人
37 大宮南  38人
41 大宮光陵 18人※
54 大宮武蔵野15人
56 上尾   14人
57 上尾鷹の台13人
57 上尾南  13人
60 川口青陵 10人

【北部】
32 熊谷西  42人※
33 深谷第一 41人
33 本庄   41人
40 熊谷   32人
47 熊谷女子 24人
51 鴻巣   16人

 南部は3ケタの不合格者が出る学校が10校ある。西部は6校ある。
 その分、私立の学校数も多く競争も激しいわけだが、量的に不足ということはなく、定員過剰を心配する学校もあるだろう。
 東部の3ケタは3校だけ。それも越谷市に集中している。
 北部には3ケタどころか50人を超える学校もない。
 東部や北部の私立は、県内他地域や他県にまで戦いの場を広げないと募集に苦戦しそうだ。

◆併願戻り率は?
 併願合格者のうち、実際に入学手続きした者の割合を「併願戻り率」などと呼ぶ。
 年度により変動はあるが、私の計算によれば全県平均は14~15%といったところだ。高い学校では20%を超えるが、1ケタ台の学校もある。
 
 公立は、規模の大きな上位校ほど高倍率となり、より多くの不合格者を輩出する。
 この傾向は年々強まっている。

 したがって、公立上位校の併願校という位置づけを確保しないと、私立は併願により学力上位層を獲得することはできない。
 併設中学校があり、下から優秀な生徒が上がってくるシステムが確立できていればいいが、それが出来ない学校や、もともと併設中学校を持たない高校単独校は、単願頼みになりがちだ。

 だが、単願の場合は基準値を下げざるを得ない。また、早く進路が決まった単願合格者は学力を下げた状態で入学してくるかもしれないし、最後まで戦った併願者より根性が足りないかもしれない。将来の大学受験を考えた場合、不利な材料だ。

 もっとも、大学合格競争には加わらないと割り切ってしまえば話は別だ。今後公立は、超進学校と下位校が今まで以上にくっきり分かれ、真ん中がスッポリ抜けるので、量の確保という点では心配ない。

 だが、それなりに進学実績を作り、それを学校の売りにしようとするなら、とりあえずは倍率の出る公立上位校の併願校というポジションを確保するしかない。
 もしくは単願でも基準値を下げないという方法もある。

 さらに言えば、先行してガチの入試を行い、後から行われる公立入試を二次募集的な地位に叩き落してしまうという手もある。こういう戦いが始まると埼玉も俄然面白くなる。