仕事上の必要あり、埼玉県西部地区某公立高校で一日を過ごした。
 朝の登校から始まり、放課後の部活まで約7時間。
 こういう長時間滞在は、年中やっているわけではないが、年に数回はある。

 繰り返し言っているように、「授業」「部活」「行事」「生活」、この4つを見て学校を語ろうというのが自分のスタイルである。 
 別にそうでなければいけないというわけではない。
 だから他人にはそれを求めない。
 自分はそうしたいというだけだ。

 さて、そんな中。
 今日一番の感動ポイントはここ。
 この板書。
 

 最近の授業は、プロジェクターを使用することが多く、昔ながらの「板書(ばんしょ)」にお目にかかるケースが少ない。
 これはまあ、時代の変化ということで仕方ないわけである。
 授業時間の50分を有効活用するためには、最新の機器を大いに利用したほうがいい。

 だが、教室で、生徒の目の前で、黒板に文字を書きつつ説明する。
 こういう技術も教員としては持っておきたいものである。

 どうです、この板書。
 ずっと見ていられるというのは、こういうのを言うんじゃないかな。
 消すのがもったいない。

 で、ここが面白いところだが、生徒たちのノートを覗き込んでみると、これがまた実に丁寧。
 上手くはないが、きちんと書いている。
 そりゃそうだ。
 こういう板書を写そうと思ったら、自然と丁寧になる。
 字は丁寧に分かりやすくを身をもって示しているわけだ。
 自分にはついぞ出来なかった指導だ。

 「板書(ばんしょ)」というのは、いずれ死語になる運命かもしれないが、教員の基本スキルとして残しておきたいものだと思う。

 ずっと見ていられる板書。
 何度も読み返したくなる板書。

 一日中学校内を歩き回っていると、このような場面に遭遇できる。