昨日、「教育業務支援員」の話をした。
 その続編である。

 個人的には、学校及び先生の業務を次のように仕分けしている。
 今や完全な部外者であるが、生徒募集やそれに関わる広報活動をどう位置付けるかを説明するために必要だ。
 1 教育的な活動
 2 非教育的な活動

 非教育的というのは、あまり良い響きではない。
 それ(教育)以外の活動とか、その他の活動という意味だ。

 少し補足する。
 教育的な活動は、普通に誰もが想像するような先生の仕事だ。
 一番分かりやすいのが授業。
 最近評判の良くない部活指導もここ。
 要は、児童生徒に直接関わる仕事。
 または、目の前に児童生徒がいることで発生する仕事。

 非教育的活動は、それ以外の全部。
 児童生徒とは直接関わらない仕事。
 むしろ児童生徒が目の前にいない方がはかどる仕事。

 生徒募集や広報活動は、もちろん非教育的な仕事だ。
 教育的な活動は、合理化になじみにくい。
 だが、非教育的な活動はむしろ合理化すべき仕事だ。
 だから、生徒募集や広報活動は熱心にやるべきだが、一方で費用対効果も考え、合理化を追求すべきだ。
 というのが、私の理屈だ。

 学校の先生でも塾の先生でも同じだと思うが、子供たちが質問があるとか、相談があるとか言ってきたら、これを最優先する。
 時間が来たら終わりというわけにはいかない。
 「質問は勤務時間内にお願いします」とは言えんだろう。

 授業準備や教材研究などは、目の前に子供たちはいないが、授業に付随するものであるから教育的な活動である。
 これはエンドレス。

 このような時間無制限の仕事を抱えているのだから、非教育的な活動に向ける労力は最小限に抑えたい。
 無くせるものは切り捨てる。
 他人に任せられるものは外注する。

 さて、以上を踏まえて、いま一度「教育業務支援員」に期待されている役割を見てみる。

 1 学習プリントや家庭への配布文書等の各種資料の印刷、配布準備
 2 採点業務の補助
 3 来客対応や電話対応
 4 学校行事や式典等の準備補助
 5 各種データの入力・集計、掲示物の張替、各種資料の整理等の作業

 この中で明らかに異質なものが混ざっている。
 「3 来客対応や電話対応」である。
 これは外注もできるが、むしろ廃止すべき業務だ。
 かつては企業でも来客対応のため受付を置いていたが、今は廃止された。
 電話の自動対応で事足りる。

 「1 学習プリントや家庭への配布文書等の各種資料の印刷、配布準備」
 簡単な話だ。
 印刷をやめればいい。
 何のためのGIGAスクール構想だ。

 「2 採点業務の補助」
 自動採点システムを入れればいい。

 「4 学校行事や式典等の準備補助」
 学校行事や式典は日常業務ではない。
 たまにしか発生しない仕事。
 運動会でテント張ったり、卒業式で紅白幕張ったり。
 高校なら生徒の力を借りる。
 小学生は無理そうだから、親のボランティア。
 それでごちゃごちゃ言われるなら、イベント会社に外注。

 「5 各種データの入力・集計、掲示物の張替、各種資料の整理等の作業」
 支援が必要だとしたら、ここか。
 しかし、これも外注可能。
 現にそのような業務を学校向けに行っている企業はある。

 以上、全部ひっくるめて言えば、学校内部で完結させようという発想であり、ここが問題。
 また、マンパワーに頼ろうとしているのも問題。

 人がやろうとしていることに文句は付けたくないが、一方で教育DXの推進を謳いながら、旧態依然の方法論を持ち出すのはどう考えても変だ。