私ら年寄りと違って、お若い皆さんは、「倍速視聴」だとか「時間対効果」という言葉をよくご存知だと思う。
私がこうした言葉を認識したのは、たぶん今年だ。
去年の今時分は知らなかったと思う。
ただ、己の行動を顧みれば、思い当たるふしがある。
たしかにプライムビデオを見たり、映画YouTube動画を見たりするとき、飛ばし飛ばし見ているのである。
これも「倍速視聴」の一種だろう。
「費用対効果(コストパフォーマンス=コスパ)」より「時間対費用(タイムパフォーマンス=タイパ)」。
とにかく今の時代、忙しいのだ。
仕事?
いや、そうじゃない。
LINE、Twitter、Instagram、Facebook。
と、チェックしなければならないものが多過ぎるのだ。
むろん、YouTube動画も。
最近ではTikTokも。
全部を最初から最後まで見ていたら、とてもじゃないが時間が足りない。
このことが、良いのか悪いのか。
むろん、私のような年寄りから見れば好ましからざる傾向だ。
が、これが現代だ。今の若者の行動様式だ。
そう言われたら、受け入れざるを得ない。
今ふと思い出したのだが、そう言えば、歌のイントロも短くなった。
ような気がする。
前奏抜きで、いきなり歌い始めたりする。
昔は結構長いイントロがあって、それで徐々に気分を高めて行って、歌唱に入る。
今の時期だと山下達郎の名作「クリスマス・イブ」をあちこちで耳にする。
この曲、「雨が夜更け過ぎに・・・」と歌い始めるのに35秒くらいかかる。
今どきの曲なら、もうとっくにサビに入ってるぜ、というくらいの長さ。
さて。
ここまでがイントロ。
長いだろう。
これが年寄り独特の文章の書き方。
イントロ無いと、歌い出せないのよ。
長い動画やめようぜ。
言いたいのはただそれだけなのだが、たったそれだけのことを言うのに、長~い前置き(イントロ)がある。
今どき流行らねえんだよ。
学校ホームページを見ると、ナガーイ、ナガーイ学校紹介動画がある。
そういう長尺ものがまったく不要とは言わない。
「ロングバージョン」と銘打って置いておくこと自体は構わない。
だが、よほどの理由がない限り10分、15分の動画を最初から最後まで全部見ようとする人はいない。
ところどころ飛ばすか、倍速で視聴されるに決まっている。
だったら、最初からショートバージョンで行ったほうがましだ。
それも、長ったらしい前置き無しで、いきなり本題に入る。
「皆さんこんにちは。ただいまから、本校の教育の教育方針や内容についてご説明します。最後までご覧になって学校選びの参考にしてください。ではまず始めに・・・」
って、なげーだろ。
この時点で「最後までご覧になる」気力が失せる。
若者たちの視聴スタイルには問題があるかもしれない。
教育的な観点からすれば、好ましくない行動様式だろう。
だが、学校の広報広告は教育の場ではないのだ。
学校の品性品格、ブランドイメージを損なわない範囲で、若者の視聴スタイルに合わせることも必要だろう。
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