学校ホームページで、学校の歴史(沿革)を調べたい。
 そう思う人はあまりいないだろう。
 受験生の中にいるとも思えない。
 しかし、学校にとって歴史は大事だ。

 企業だって「創業○○年」などと、その歴史を看板にしているではないか。
 歴史はブランドなのだ。
 消えて行く学校がいくらでもある中、数十年持続してきたことは、それだけでも価値がある。
 今日あるのは創業者や諸先輩方の努力の賜物だ。それに対するリスペクトという意味でも、歴史を語ることは重要だ。
 いま現在の皆さんの努力はいずれ歴史となるのだ。
 先人に敬意を表さないと自分たちに跳ね返ってくるぞ。

 例によって全校ホームページを閲覧して(今回は埼玉県内私立のみ)、沿革の在りかを探した。
 すぐに見つけられた学校と、探すのに苦労した学校があった。中には、どうやっても見つからない学校もあった。
 以下は、私が行った「沿革探し」のレポートである。

◆見つけやすさNO.1は栄北
 今回調査で、沿革の在りかがもっとも分かりやすかったのが栄北だ。
 メニューに、ずばり「沿革」という項目がある。
 これなら誰だって見つけられる。
 そこまでの重要項目かという議論はあるにしても、分かりやすさは一番だった。
栄北 「沿革」

 
◆「学校紹介」「学校案内」「学校概要」から
 たぶんここにありそうだと見当をつけやすいのが、トップメニューに「学校紹介」「学校案内」「学校概要」などがある場合だ。
 これらのサブメニューとして「沿革」がある学校は多かった。

【「学校紹介」から】
秋草学園 「学校紹介」>「沿革」
川越東 「学校紹介」>「学校の歴史」
栄東 「学校紹介」>「沿革」
獨協埼玉 「学校紹介」>「沿革」
武南 「学校紹介」>「沿革」
山村国際 「学校紹介」>「教育理念・沿革」

【「学校案内」から】
埼玉平成 「学校案内」>「校長挨拶・沿革」
聖望学園 「学校案内」>「学校概要・沿革」
東京成徳大深谷 「学校案内」>「校歌・沿革(歴史)」
東邦音大東邦第二 「学校案内」>「沿革」
星野 「学校案内」>「沿革」
本庄第一 「学校案内」>「沿革」
慶応志木 「学校案内」>「志木高沿革」

 慶応志木はすぐに見つかるが、画面がレスポンシブ対応になっていない。スマホで見ようとするとPC(パソコン)と同じ画面が出てくる今どき珍しいサイト。やはり慶応ともなるとお客の利便性など考えないのか。中身が充実したサイトであるだけに残念だ。

【「学校概要」から】
大妻嵐山 「学校概要」>「歴史・沿革」
淑徳与野 「学校概要」>「学校の沿革」
花咲徳栄 「学校概要」>「沿革」

◆「〇〇高校について」などから入る
 このパターンも想起しやすく、見つけやすい。

自由の森学園 「本学園について」>「沿革・構成」
秀明 「秀明学園とは」>「沿革」
城西川越 「城西川越について」>「建学の精神・沿革」
東野 「東野高等学校について」>「学園の沿革・概要」
細田学園 「学園紹介」>「理念・沿革」
山村学園 「山村学園について」>「沿革」
立教新座 「立教新座について」>「歴史・沿革」
早大本庄 「学院について」>「沿革」

◆もう一工夫して欲しい学校
浦和学院
 「学校紹介」>「学校紹介」と同じ名称が続き、そこに沿革が記されていた。後の方は「沿革」とすれば分かりやすくなる。

浦和実業
 「高等学校について」>「沿革」だが、「学校紹介」>「沿革」でいいような気がした。

大宮開成
 「学校紹介」>「学校概要」と進むと、そこに校長挨拶などと並んで沿革が記されている。入口は迷わないが、「学校紹介」の下に「学校概要」という構造が、他校には見られないもので、若干分かりづらい。

国際学院
 ここも「総合トップ」から入る形で、そこを間違わなければ「学校案内」>「沿革」と、すぐにたどり着ける。

正智深谷
 「学校案内」>「本校について」>と進むと、建学の精神などと並んで「学校の歩み」が記されている。「学校案内」からダイレクトに沿革に進めるといい。

埼玉栄
 中高の総合トップに「学校概要」があり、そこに「沿革」がある。ダイレクトに高校のサイトに入ってしまうと見つけづらくなる。

狭山ヶ丘 
 「狭山ヶ丘学園について」から入ると、そこに校訓などと並び沿革が記されている。

武蔵越生
 「学校紹介」>「学校概要」と進むと、校長挨拶や教育方針などと並んで沿革が記されている。

◆沿革の在りかが見つけにくい学校
 以下は、個人的に見つけにくかったということなので、人によっては苦も無くたどり着けるだろう。

青山学院大学系属浦和ルーテル学院
 「ルーテルの特色」>「教育方針」と進むと、そこに沿革が記されている。入口が「ルーテルの歴史」というのはちょっと分かりづらかった。

浦和明の星女子
 「明の星の教育」>「学園の歴史」と進むと、そこに沿革が記されている。入口が「明の星の教育」というのは分かりづらかった。

浦和麗明
 「学校紹介」>「建学の精神・教育方針」>「沿革」となるが、「建学の精神・教育方針」を経由するのが分かりづらかった。

開智・開智未来
 開智学園のページを見つけられれば、学園全体の歴史が見られる。学校ごとの詳しい歴史を知りたい。
 
城北埼玉 
 「学校案内」>「理事長挨拶」と進むと、そこに沿革が記されている。入口の「学校案内」まではいいが、その先「理事長挨拶」のページに沿革があるとは想像しにくかった。

西武台
 「教育内容」>「教育目標」と進めば沿革が見られるが、入口が「教育内容」で、その下が「教育目標」というのは分かりづらかった。

西武文理
 文理佐藤学園のページが見つけるのが大変だが、その先は「学園の紹介」>「学園の歩み」と進めばいい。

東京農大三
 「学校紹介」というメニューがあるが、そこに沿革はなく、「高等学校」>「沿革・校歌」と進む形だ。沿革は「学校紹介」に移動したほうがいいだろう。

本庄東
 総合トップから入れば、「小林学園の歩み」がすぐ見つかるが、高校のサイト(特にスマホで見た場合)から入ると見つけづらかった。

◆高度な想像力を必要とする学校
 これも個人的感想だが、沿革の在りかを見つけるのに高度な想像力を要する学校があった。
 
叡明 「叡智」>「沿革・校歌」 
 この学校のメニューは「叡智」「高志」「協調」といったものだが、「叡智」の中に沿革があるとは、私の想像力のはるか上を行く。

◆沿革が見当たらなかった学校
 私が探し出せなかったのか、そもそも無いのか。
 ホームページに沿革、歴史がないのが次の学校だ。
 
 春日部共栄
 昌平
 秀明英光
 武蔵野音大付属

◆沿革の見せ方に個性は不要
 沿革は、その中身自体が学校の特色であり、個性である。
 事実を淡々と伝えるページなので、見せ方に個性は要らないだろう。

 誰もが想起しやすいメニュー、たとえば「学校概要」や「学校紹介(案内)」、あるいは「〇〇高校について」などを入口にしたほうがいいだろう。その下に、校長挨拶や校歌などと一緒にせず、独立した「沿革(学校の歴史)」といったサブメニューを設けるのが分かりやすいと思う。