埼玉県教育委員会は22日、入試改善検討会議から報告書が提出されたと発表した。
検討会議は25人の委員で構成されている。
会議は昨年12月26日、今年2月1日、3月8日の3回行われた。
第1回会議録
第2回会議録
第3回会議録は準備中とある。
【追記】
第3回介護録が公開された。
第3回会議録
3回の会議を経て次のような報告書が提出された。
入試改善検討会議報告書
サイトへのアクセスはこちらから。
埼玉県公立高等学校入学者選抜方法の改善について(第16次報告)
大した文量ではないので関係の皆さんには一読をお勧めする。
これをもって直ちに入試制度が変わるわけではない。
また、変わるとしても「十分な周知期間を確保する必要」(報告書より)があるので、少し先の話になるだろう。
ただ、会議からいくつかの検討課題が示されている以上、県教委がこれらを全く無視することはできず、今後何らかの改善案が示されることになるだろう。
以下、今後の検討課題とされた点について簡単にまとめておく。
◆1回入試は維持
報告書には「現行の1回の入試を基本としつつ」とある。
したがって、これについては当面維持する方向と考えてよいだろう。
その中で「選抜基準や選抜方法の見直しを図るなど、一定の枠組の中で各高等学校が特色を出せるような入試制度となるよう検討する必要がある」としている。
現行の制度・仕組みの中でも、各校がある程度特色を出すことは可能だが、さらに特色化が可能なるような選抜基準や選抜方法に変更される可能性がある。
ただし、各校が特色を前面に打ち出すと全体としてバラバラになる恐れがある。
そこで「一定の枠組みの中で」とブレーキをかけている。
◆学校外の活動をどう評価するか
部活動の地域移行が検討課題とされている。
それにより今後は生徒の活動の場が学校外にも広がって行くと予想される。
そうなると、中学校は生徒の活動すべてを把握することが難しくなる。
そのため、報告書では、「中学校等が調査書に記載する内容について検討する必要がある」としている。
今後、調査書への記載内容や記載方法について、変更があるかもしれない。
調査書の様式見直しも検討されるだろう。
また報告書では、高校側の課題として「調査書に限らず、入試全体の中で受検生の意欲や能力等をより一層評価できる選抜方法の在り方を検討する必要がある」と述べている。
具体的には「自己評価資料や面接、小論文等の選抜方法について検討する必要がある」としていることから、他県で実施されているような「調査書+学力検査+自己表現」といった形が検討されるかもしれない。
学習指導要領が新しくなり、大学入試制度が変わり、世の中の価値感等も大きく変化している現在、高校入試の制度・仕組みが十年一日というわけにも行くまい。
今後の動向に注目しよう。
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