学校広報担当の皆さん、「記事は出すタイミングも大事ですよ」という話をしようと思う。
が、その前に。
このブログは、どなたかまでは特定できないが、ほぼレギュラー読者によって成り立っていると考えられる。
日々のPV数(表示数)に大きな変化がないことから、それが分かる。
ただ、時々、検索エンジンからの流入で一気にPV数が増えることがある。
ここ数日は、検索で引っかかったのであろう、「埼玉県虐待禁止条例」に関する記事が非常によく読まれている。
話題のネタを扱ってPV数を稼ごうとしたわけではない。
この記事の真の狙いはタイトルの「原文を当たってみた」に込められている。
おそらくコメンテーターなどは、元からある条例や改正案をろくに読まずに、受けを狙ったコメントを述べるだろう。または、番組の台本に沿った内容を私見のフリをして述べるだろう。
それはそれで構わない。
彼らは、今日はジャニーズ問題、明日は立教大学駅伝監督問題、明後日は藤井聡太八冠問題と、次々にそれらしいコメントを繰り出し、視聴率を稼ぐ手伝いをするのが仕事だ。
なかなかタフな仕事である。
いちいち調べている時間などないだろう。
そんなことをしていたら、話題は次に移ってしまう。
また、新聞にはスペースの制限がある。
テレビには尺(放送時間の長さ)の制限がある。
よって一番美味しそうな部分、すなわち読者・視聴者受けが良いと思われる部分を切り取らざるを得ない。
結果、問題の本質から離れてしまうことはよくある。
が、われわれはそうはいかない。
われわれというのは、広い意味で教育問題に関わりがある人間という意味だ。
芸能、スポーツなどはともかく、少なくとも教育につながるような問題については、できるだけ大本(おおもと)のデータに当たろうではないか。
そうすると、新聞・テレビ報道では見えてこない部分も見えて来る。
◆いつ出したら一番読まれるか
さて、例によってキレのない前置きが続いたたが、記事を出すタイミングの話だ。
立教大学駅伝チームの監督が、不倫だかなんだかで解任になったというニュース。
私生活のことなんてどうでもいいだろうと思うが、相手が現役女子部員ということになると、そうも言っていられない。
が、そのことよりもデイリー新潮が記事を出したタイミングだ。
たぶんネタとしてはかなり前から掴んでいただろう。
だがすぐに記事にはせず、立教大学も出場する箱根駅伝予選会(10月14日)の直前にぶつけてきた。
いよいよ駅伝、マラソンシーズンが始まり、ファンの関心がチームや選手に集中し始める時期だ。
出すのは今だ。
ここに媒体としての戦略(というか作戦)があったとみて間違いないだろう。
むろん大きな事件、事故ではそんなことは言っていられないが、この手の記事は、出すタイミングによっては大して話題にならないこともある。
青山学院の原監督や駒沢の大八木監督ぐらいになれば、駅伝ファンを超えて知名度があるが、立教大学の監督なんて今回のニュースを見て初めて知ったという人も多いだろう。
仮に原監督や大八木監督レベルの不祥事だったら、いつ出しても大きな話題となるはずだが、上野監督レベルだとタイミング勝負だ。
一番話題になりやすタイミングで記事を出す。
学校広報担当者が学ぶとしたら、この点だろう。
ホームページやSNSでは、記事を早く出すのが基本と考えていい。
「今日、体育祭がありました」ならいいが、「先週、体育祭がありました」ではいかにも間抜けな記事になる。
そんなもん、今さら知らされて何になる、って話だ。
「囲碁将棋部、頑張ってます」
普段だったらスルーされてしまいそうな地味な記事でも、藤井聡太八冠に話題が集中し、人々が「将棋」というワードをさんざん見たり聞いたりしている今の時期だったら、普段より目に留まる確率は高いだろう。
急ぐ必要のない記事は、ネタが無い時の埋め草に使われがちであるが、大事にとっておいて、ここぞというタイミングを選んで出すという手もある。
難しいことではあるが、そういう考え方も頭の片隅に置いておこう。
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