昨日のブログで明日は所沢北高校に行くと予告したので、それについて書く。
「よみうり進学メディア埼玉版11月号(特集:これが高校の授業だ)」の取材である。
玄関を入るとこんな幟が。
ここまで気を遣っていただかなくてもと思うが、以前も言ったように、これは「しっかり取材してくれよ」という学校側からのメッセージである。
発行元の読売エージェンシーの人も来ると思われていたようだが、公立高校の取材はたいてい一人で行く。
◆初の「総合的な探究の時間」取材
「よみうり進学メディア」のこのシリーズでは、これまで主に英語や数学などの授業を取り上げてきた。
だが、今回は学校側の希望もあり初めて「総合的な探究の時間」(以下、「総探の時間」)を取り上げることになった。
中学校には無いので、このシリーズで取り上げるにふさわしい授業と言えるだろう。
(中学校には「総合的な学習の時間」はある)
◆スーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校に
同校は令和6年度からSSH指定校となった。
研究課題は「2050年カーボンニュートラル社会に向けて、地域や社会の持続的発展を牽引する科学技術人材育成のためのカリキュラム開発」。
現在の埼玉県関係の指定校は、県立では浦和一女・川越女子・春日部・熊谷西・越谷北・松山・所沢北、市立では大宮北・川口市立。
私立も対象となるが現時点で埼玉県内に私立指定校はない。
この事業には総額約23億円が投じられている(令和6年度予算)。
指定期間は原則5年間で、指定校になると年額で1年目1,200万円、2・3年目1,000万円、4年目以降750万円の支援金を学校は受けられる。
予算不足に悩む公立にとってこれは魅力的だ。
事業開始当時に比べると少ないが、それでもこれだけあればいろいろな取り組みが可能になる。
むろん使途には厳格な縛りがあり事業計画に沿った使い方でなければならないが、大学・企業・研究機関と連携した授業や、生徒のフィールドワークなど、これまで予算の制約でできなかったことが可能になる。
ただ、国が行う事業であるから、申請するだけでも大変だし、成果を出すことも求められるし、きちんとした報告もしなければならない。
そう考えると、負担に比べてメリットは少ないと判断する学校も多いかもしれない。
参考のため同校の事業計画書はこちらで見られる(同校HP)
所沢北高校SSH事業計画書等
◆SSHで「総探の時間」もブラッシュアップ
今日は「総探の時間」の中間発表を見た。
すべてのグループの発表を見るのは物理的に不可能なので、実際に見学できたのは数グループだ。
そういう限られた見聞での感想だが、同校の「総探の時間」は、SSH指定校になったことにより相当程度ブラッシュアップされたのではないか。
もちろんSSHの取り組みと「総探の時間」は別物である。
しかし、SSHで取り組む教科横断型授業、STEAM型探究活動、大学・研究機関等との連携などで得られた知見は、先生方の中に蓄積され、それが「総探の時間」にも生かされるだろうと考えるのが自然だ。
他校にはないTOKOKITA型の「総探の時間」に期待したい。
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