X(Twitter)にこんな記事があった。
春日部共栄中学高校吹奏楽部 クラウドファンディングはじめました
同部は昨年の全国吹奏楽コンクールで全国金賞を受賞した強豪で今年も西関東地区代表として全国大会(10月20日)に出場する。
楽器価格や遠征のバス代等の高騰を受け、活動資金を寄付金で補おうというもの。
クラウドファンディングのページはコチラ↓
自分たちの楽器で、応援してくれる方々へ演奏を届けたい!春日部共栄中学高等学校吹奏楽部 楽器購入プロジェクト
今日現在で目標額300万円に対し約35万円が集まっている。
(ここで取り上げるだけで何のアクションも起こさないのは申し訳ないので僅かだが寄附をしておいた)
◆学校もクラファンの積極利用を
クラウドファンディングは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語である。
ネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する方法である。
タイプとしては基本的な「寄付型」の「ほか「購入型」、「融資型」、「株式型」、「ファンド型」、「ふるさと納税型」などがある。
銀行やコンビニ、郵便局にも行く必要がなくスマホ1台で完結するので極めて利便性が高い。
今、クラファンの世界がどうなっているか。
たとえば国内最大規模の事業者の一つ「CAMPFIRE」のサイトをちょっと覗いてみよう。
「CAMPFIRE」
おびただしい数のプロジェクトがそこに展開されている。
他にも「Makuake」、「KIbidango」とか、いろいろな事業者があるので、試しにどれか一つでも見てみよう。
◆埼玉県教委のクラファン
公立高校関係者以外にはあまり知られていないが、埼玉県教育委員会にも「埼玉県教育環境整備基金」という寄附金制度がある。
広く一般にも寄附を呼びかけるという点ではこれも一種のクラファンと言っていいだろう。
◆私立は新たな資金調達法の確立を
少子化が急速に進むことを考えると私立学校は新たな資金調達法を考えなければならない。
人口が減り税収が減れば助成金も減少するだろう。
受験者や入学者が減れば手数料収入も授業料収入も減少するだろう。
こうした中、児童生徒数の減少ほどには教員数は減少しないと予測されている。
今よりもさらに少人数学級・少人数指導になって行くからだ。
とすると、収入は減るが支出(人件費)はさほど減らないという厳しい状況となる。
そこで、生徒納付金収入や補助金収入に加え、もう一つの収入源を確保しておかなければならない。
それが寄附金収入だ。
現在でも寄附金制度のある学校は多いが、在校生保護者を対象とするものであり、任意とは言え「第二、第三の授業料」的な性格を持つ。
これはこれであっても構わないが、これから求められるのは対象をもっと広げた寄附金制度だ。
県内私立各校のホームページで寄附金についてのページがあるかどうか調べてみた。
結果、在校生保護者対象の寄附金については多くの学校にあったが、卒業生なども含む一般個人を対象とする寄附金制度がない学校がほとんどだった。
一般個人も対象に含めているとしても、「卒業生」「保護者」に対して「その他」扱いである。
私のイメージではむしろ「一般個人」はメインに来る。
在校時には授業料を取っているのだから、それほど多くの寄附は求めない。
その代わり卒業し社会人になったらずっと寄附を続けてもらう。
言い方は悪いが、いったん入学したら一生お金を払い続けてもらう。
何なら亡くなっても寄附してもらう(遺贈寄付)。
資金調達に熱心なのは東京大学である。
寄付金など資金調達専門のサイトを設けている。
今は何とかなっている学校も、将来にわたり盤石であるかどうかは分からない。
窮してからでは手遅れなので今から考えておきたい。
コメントを残す