浦高(県立浦和高校)が教育関係者対象教育活動説明会を開催する。
令和8年1月23日(金)。
県内私立高校入試の真っ最中かつ公立出願目前。
というタイミングであるから、念頭にあるのは令和9年度入試だろう。
「教育関係者対象教育活動説明会」(ここから参加申し込みできる)
下のグラフは、第1回進路希望調査における倍率推移である。
今年は過去最低を記録。
全県普通科平均(1.23倍)をはるかに下回った。

これを見て何も感じなかったら、または感じたとしても何も行動を起こさなかったら、どうかしている。
なぜこのような結果になったか。
一連の共学化騒動の影響が大きいのは間違いない。
この過程で、浦高は伝統的な男子校教育の意義を強く訴えてきた。
それはそれでよろしい。
しかし、このことは同時に、浦高の前時代性を白日の下にさらすことになった。
伝統イコール時代遅れ。
とまでは言わないが、少し間違えると、どんどん逆方向に行ってしまう。
その最たるものが現役進学率だ。
2025年春の結果は、現役進学率44%。
今どき卒業生の半数以上が浪人する学校がどこにある。
私はかれこれ20年ちかく、浦高の学校説明会(教育活動説明会)を見に行っている。
プログラムは一切変わらない。
説明内容はずっと一緒。
なんなら途中で織り交ぜるジョークも十年一日。
「言い忘れていましたが、本校は男子校です」
さながら古典落語か歌舞伎を見るよう。
いや、落語や歌舞伎の方がはるかに現代を取り入れているぞ。
男子校の良さを強調すればするほど、また、伝統を誇れば誇るほど、時代遅れをアピールすることになってしまう。
そのことにいい加減気づかないと。
これは浦高だけでなく、すべての男子校、女子校に言えることだ。
男子校であること、女子校であることは、ネガティブ要素である(マイナス要素である)。
いったんそういう立場に立って考えてみたらどうか。
男子校、女子校の皆さんが、別学の良さをアピールしたい気持ちは分かる。
しかし、そこを出発点にしてはいけない。
より強力にアピールすべきは、教育の質の高さや、先進性であろう。
行事や部活もいいけれど、それは必ずしもトップ校が請け負わなければならないというものではない。
(むろん、やめろとは言わない)
友達ができるなんていうのも副産物みたいなもので一番の売りではない。
とにもかくにも、学びの質の高さと先進性。
ここに入って、ここで学んで、ここを出て、さらに高みを目指したい。
そういう人にとって最高の環境なのだが、「ゴメン、女子はいないんだ」。
「まあ、わずか3年だけなんで、そこは我慢してくれ」。
最終的には男子校であることのメリットを感じてもらわなければ、選ばれない。
だから、それを言うのは構わない。
ただ、初めっからそればかり強調するのは、ちょっと違うんじゃないかと思うのである。
もう一つ注文。
SNSの時代だ。
大統領も首相も自らSNSで発信している。
浦高生が目指す東大だって、エックス、フェイスブック、インスタグラム、ユーチューブ、おまけにリンクトインと主要SNSをコンプリート。
で、浦高は。
辛うじてホームページだけ。
平成の前半で時は止まっている。
電灯校にこだわるのはいいが、せめてLEDにしたらどうだ。

コメントを残す