ここに来て、年度当初には予定していなかった募集イベントを急きょ開催する学校が出てきた。
 がっちり年間予定が組まれている中で、新たな募集イベントを組み込むのは非常に難しいことではあるが、状況を見ながらの臨機応変も時には必要であろう。

 今日は、予想に反して第1回調査で過去最低の低倍率をマークしてしまった学校が、なにか応急的な措置をとっているかどうかを調べてみた。
 最低倍率を更新した学校は数多いが、今日はその中から、県を代表する普通科難関校や人気校にしぼった。
 (以下に登場する倍率はすべて第1回進路希望状況調査における倍率である)

 今回取り上げた学校に限らず、多くの学校が、当初予定になかった中学校訪問や塾訪問を追加したり、新たに行ったりしていると思われる。
 が、その実態は分からないので、ここでは追加で行われる説明会に絞った話となる。
 

●浦和
【現状】
 第1回倍率は1.10倍。
 過去10年間の最低は令和3年度の1.28倍。
 これを大きく下回った。
【対策】
 次年度向けではあるが、1月23日に初めて塾対象説明会(教育関係者対象教育活動説明会)を実施。
 1~3月に1・2年生向け説明会を行うといいだろう。2月7日に大宮(1回目)・春日部、21日に大宮(2回目)の1.2年生向けがあるので、そこは外したほうがいい。2月なら14日、その後は期末考査や卒業式シーズンに入るので、春休み。さらに飛んで連休前の4月。上位を狙う層ほど始動が早いので、それに合わせた計画が必要だ。

●浦和一女
【現状】
 第1回倍率は1.08倍。
 過去10年間の最低は令和6年度の1.21倍。
 これを大きく下回った。
【対策】
 11月に急きょ塾説明会を実施した。
 1月10日に2回目の塾説明会する。
 1月24日には1・2年生向け説明会を実施する。元々2月7日に1・2年生向けミニ説明会(探究学習発表会公開日)を予定していたが、本格的説明会を追加した。

●川越南
【現状】
 第1回倍率は1.65倍。
 過去10年間の最低は昨年(令和7年度)の1.95倍。
 これを大きく下回った。
【対策】
 特に目立った動きはないようだ。
 大幅に下がったとはいえ1.65倍は十分に高倍率なので、今のところはそれでいいだろう。
 ただし、第1回ではずっと2倍超えを続けてきたが、昨年は初めて1.95倍と2倍を割った。そして、今年は挽回するかと思われたが逆にさらに下がって1.65倍。令和3年度の2.45倍以降、5年連続の低下なので、そろそろ何か手を打っておいたほうがいいだろう。

●越ヶ谷
【現状】
 第1回倍率は1.70倍。
 過去10年間の最低は昨年(令和7年度)の1.74倍。
 1.70倍は全県的には高倍率だが、2年連続で最低を更新している。
【対策】
 11月29日と12月25日に、当初予定になかった個別相談を実施する。
 平成30年度には2.46倍、31年度には2.45倍を記録するなど、東部地区を代表する人気校・高倍率校であったが、前述のように2年連続の1.7倍台。早めに手を打っておく必要がある。
 説明会は年3回と少なく、しかも最初が8月21日と遅く、最後が11月8日と早い。このシステムでは人気が維持できなくなっているのかもしれない。
   
●与野
【現状】
 第1回倍率は1.05倍。
 過去10年間の最低は平成28年度の1.22倍。
 今回これを大きく下回った。
 令和4年度の1.59倍をピークに、5年度1.47倍、6年度1.38倍、7年度1.31倍と3年連続の低下。
 結果論だが、1.5倍台から1.4倍台、1.3倍台と下がってきた時点で何か手を打つべきだった。
【対策】 
 11月に急きょ塾説明会を実施した(ようだ)。
 「ようだ」というのは、私のところには直接は何も案内がなかったのと、ホームページに参加御礼のような記事がなかったからだ。
 12月17日は平日夜間だが、年度当初の予定にはなかったミニ説明会を実施する。

●蕨
【現状】
 第1回倍率は1.47倍。
 過去10年間の最低は令和5年度の1.68倍。
 これを大きく下回った。
 平成28年度は2.66倍、29年度は2.61倍だった。当時は大宮や浦和西を上回り、県立ではトップの高倍率校だったが、以後、徐々に低下し、今年はついに1.5倍を割った。
【対策】
 1月24日に説明会が予定されている。
 年度当初から予定にあったものだが、対象学年が明記されておらず、親切ではない。
 少し前までなら、この時期の説明会は出願直前の3年生に決まっているが、最近はそうでもなくなった。
 前述のように、同じ1月24日に浦和一女が1・2年生向け説明会を行う。熊谷も1月24日は1・2年生向けだ。さらに小川も1月31日に1・2年生向けを行う(ちなみにこれは梅野の入試講演付き)。そして極めつけは杉戸の1月10日。このように、1月中に次の受験生に向けた説明会を実施する学校が出てきているのだから、対象をはっきりさせたほうがいい。