今年もその季節がやってきた。
塾の先生向けの講演会。
.jpg)
昨年同時期、塾の先生が経営戦略を立てる際に役立つ情報を提供しようという趣旨で、根岸孝之先生らが中心となって開催してくれた。
元は塾の先生をメインと考えていたが、ふたを開けてみたら県公立や県外私立の先生の参加も見られた。
まあ、市場における立ち位置がそれぞれ違っていたり、場合によっては競合関係にあったりもするが、同じ市場に生きるプレイヤーでもあるわけだから、今後の市場変化等について情報共有しておくことは無駄ではなかろう。
市場は生き物である。
入試・受験市場もまた然り。
政治経済情勢、社会情勢、もしかしたら世界情勢によって、常に呼吸するように変化するものである。
さて、令和9年度あるいは10年度に向けて、この生き物はどんな変化を見せるのだろうか。
◆入試改革は公立の生き残り戦略
令和9年度入試で行う公立入試改革は、その本来の狙いはともかく、結果としては、「公立離れ」という危機感を背景とした公立高校側の「生き残り戦略」という側面を持つものである。
永らく「埼玉は公立王国」と言われてきたが、ついにその牙城は崩れるのか。
公立側にとっての誤算は、突如、私立授業料無償化という逆風(私立側からは順風)が吹き荒れたことだろう。
無風状態であれば、克服できたかもしれない制度上のウィークポイントが致命的な欠陥としてのしかかってくるかもしれないのが公立の不幸である。
◆私立は千載一遇のチャンス
アゲインストの風に立ち向かわなければならない公立に対して、授業料無償化などフォローの風の後押しを受ける私立は、「公立がダメなら私立」ではなく、「最初から私立」という層を拡大し、固定化させる千載一遇のチャンスである。
この機に、私立ならではのスピード感のある施策をどれだけ実行できるか。
これから数年、黙っていても、対公立では優位に立てる時代が続くが、それに甘んじることなく、今こそ改革の狼煙をあげることができるか。
「公立の滑り止め」「公立の補完」という立場から完全脱却できるかどうか。実は私立にとってもここが正念場である。
◆心理的安全性が確保された私立入試
私立は授業料無償化という追い風を受け、公立の弱点を突いて行くことになるだろう。
入試方法として公立は全員面接を課し、それに付随して自己評価資料の提出を求めることにしたが、これらが実質的な選抜方法として機能しないことは明白である。それどころか、かえって現場の負担を増すだけだろう。受験生側からも面倒な準備が一つ増えるだけだ。
こうした「面倒な公立入試」に対し、「安心して受けられる私立入試」、「シンプルな私立入試」、「早く決まる私立入試」をこれまで以上に前面に打ち出すことで、私立は絶対的有利を手にすることができるだろう。
公立は今般の改革に合わせて、学力検査にマークシート方式を導入する。その結果、記述問題は1割程度となる。マークシート化は首都圏で最後だ。
私立の方はとっくの昔にマークシートなのだが、向こうが追いついてきたときがむしろチャンスで、あえて記述を導入したり、その割合を増やすという手も打てる。
難関大学受験に向けて、「記述を軽視する公立」に対し、「記述を重視する私立」というポジションチェンジ。これも公立が動いてくれたことで選択肢として浮上してきた。
公立入試改革が、評価の不透明性や受験生の負担増につながりかねない情勢の中で、私立は「安全、安心、確実、丁寧、手厚い」といった新たな価値を提示する。これは入試制度という短期的優位ではなく、教育サービスとしてのクオリティの差という永続的優位に繋げて行けるはずだ。
セミナーでは、こうした観点からの具体的な施策を提案しようと考えている。

2026-01-26 at 21:01
このたびは、当方主催の講演会について、ブログにてご紹介いただき誠にありがとうございます。
このようにご紹介いただけましたこと、心より感謝申し上げます。
当方が様々な立場の皆様と共有をしたかった講演会の趣旨や背景を、丁寧に書いていただき、大変ありがたく思います。
学校や塾の先生方にもお越しいただき、現場での実践につながるヒントを持ち帰っていただければ、主催者としては、大変に嬉しく思います。
講演会当日、多くの先生方とお目にかかれますことを楽しみにしております。