文化祭をキーワードに、いろいろな学校のホームページを閲覧していると、さまざまな発見がある。
今日紹介するのは川口青陵高校だ。
文化祭は9月4日(金)・5日(土)の2日間開催され、1日目が校内公開、2日目が一般公開となっている。これはよくあるパターン。
ちょっと目を引いたのは、一般公開に関するかなり詳細かつ厳しい内容の規定だ。
今なら学校ホームページのトップページで見ることができる。
その内容は次のとおり。
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本年度における青陵祭 一般公開の来場について
一般公開日:9月5日(土) 9:30~15:00(入場可能時間 9:30~14:00)
1,中学生およびその保護者
・予約等は不要です。
・入場時に、在籍している中学校の学生証を確認します。
・保護者のみの入場はできません。
2,青陵生の同居の親族(生徒指導票に記載の者に限ります)
・予約等は不要です。
・入学時に提出している生徒指導票にて本人確認をします。
受付で全員分の身分証明書を提示する必要があります。
3,卒業生
・37,38,39,40期卒業生のみ来場可能です。
・予約等は不要です。
・卒業アルバムにて本人確認をします。
受付で何期生か・卒業時のクラスを伝え、身分証明書を提示する必要があります。
4,青陵生の友人
・本校生徒による予約が必須です。生徒1名につき友人2名まで招待できます。
・高校に在学中の友人に限ります。
・受付で高校の学生証を提示する必要があります。
・本校を転・退学した者は入場できません。
5,来校される際の注意
・招待した生徒の「学年、クラス、番号、氏名」を伺いますのでメモしておいてください。
・身分証明書、学生証を必ず忘れずにご持参ください。ない場合は入場できません。
・当日は公共交通機関での来校をお願いいたします。自家用車での送迎も禁止です。
・本校付近の道路での路上駐車を固くお断りいたします。警察に通報いたします。
・上履きをご持参ください。忘れた場合は靴下のまま入場になる可能性があります。
・教室内には冷房がありますが、廊下や体育館は大変暑くなります。体調にご注意ください。
6,本校生徒による予約の締め切り
8月20日(木)12:00 厳守
〆切以降の予約は受け付けできません。日程に余裕を持って本校生徒までご連絡ください。
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これを読んだ第一印象は「ここまで制限するなら、果たして『一般公開』と呼べるのだろうか」だ。
ただし、全面非公開にしてしまうのも違う。むしろ川口青陵高校の場合は、「一般公開を続けるか、やめるか」の二択ではなく、公開の目的を整理し直す段階に来ているのだと思った。
今回のルールを見ると、中学生は学生証確認、保護者単独は不可。在校生の友人は高校在学者に限り、事前予約制で一人2名まで。さらに転・退学者は入場不可。卒業生についても37~40期に限定し、卒業アルバムと身分証で本人確認するというかなり厳重な方式だ。
トップページに掲載しているところを見ると、学校として相当強い意思をもって来場者を限定していると見ていいだろう。
「排除したい人」がかなり明確に見える
特に目を引くのが、「高校に在学中の友人に限る」、「転・退学した者は入場できない」という部分だ。
文化祭の入場規則として、ここまで対象者を明示する学校はそう多くはないだろう。
もちろん、なぜこうした規則になったのかは、今回示された資料だけでは分からない。したがって過去に何らかのトラブルがあったからだなどと断定することはできない。
ただ、制度設計だけを見れば、「不特定多数には来てほしくない。しかし、中学生や保護者、在校生の家族、学校が把握できる友人には来てもらいたい」という考え方はかなり明瞭だ。
要するに、もはや「一般公開」ではなく、「対象限定公開」なのだ。
そこまで言うなら、「いっそ一般公開やめたら」と言いたくもなるが、文化部などそれを目標にしている生徒もいる。
昨年度の学校自身の記事でも、茶道部など文化部の発表が文化祭の楽しみの一つだったと紹介されている。しかも2025年度の来場者は831人で、前年よりかなり増え、学校自身が「今後も、一般の方が楽しめるような文化祭」を目指すと書いていた。
吹奏楽、演劇、美術、書道、写真、茶道など文化部は、大会だけではなく、「誰かに見てもらう」こと自体が活動の重要な到達点だ。
クラス企画も同じこと。仲間内だけでやる文化祭と、知らない中学生や保護者が見に来る文化祭では、生徒の緊張感も達成感も違う。
だから、防犯上や生徒指導上の理由から学校を閉じてしまうと、問題のある来場者は排除できるが、同時に頑張っている生徒から観客まで奪ってしまう。これは少々もったいない。
となれば、「誰でも来られる文化祭」から「目的型公開」に転換するしかない。今後模索すべきはこの方向だろう。
つまり、「文化祭=地域の誰でも入れるお祭り」という考え方をいったんやめる。
その上で、「文化祭=生徒の成果発表+中学生への学校公開+家族・関係者との交流」と再定義する。
そうすれば、今回の規則にも筋が通る。
中学生と保護者は「学校を知ってもらう人」。
家族は「生徒の成長を見てもらう人」。
在校生の友人は「生徒が責任を持って招く人」。
卒業生は「学校コミュニティーの一員」。
この四つに整理する。
そして「一般公開」という看板を下ろし、「青陵祭公開日」、「青陵祭・学校公開」、「中学生・保護者・関係者公開日」などとする。
中学生については、むしろもっと開いていい。
特に募集広報の観点では、ここは重要だ。
今回、中学生は予約不要で、学生証さえあれば入れる。これは維持したほうがいいだろう。
さらに一歩進めて、文化祭を中1・中2を含む中学生向け学校公開イベントとして明確に位置付けてもいい。
先生による入試説明会などは必要ない。文化祭の日くらい、生徒を主役にしておけばいい。
この学校に合う中学生には、「楽しそうだな」、「先輩たち、意外としっかりやっているな」、「この部活に入りたい」と思って帰ってもらう。それだけで立派な募集広報だ。
今回の文章には、学校の苦労がにじみ出ている。
学生証確認、身分証確認、卒業アルバム確認、事前予約、招待者の学年・組・番号・氏名確認、転退学者不可、送迎不可、路上駐車は警察に通報――。
一つ一つには、おそらく理由があるのだろう。
ただ、これが年々積み重なっていくと、文化祭が「どうやって人を迎えるか」ではなく「どうやって人を入れないか」
を考える行事になってしまう。これは避けたいところだ。
学校の治安と生徒の安全は絶対に守る。しかし、文化祭の本来の目的も守る。
そこで今後の形としては、「不特定多数への全面公開はしない。しかし、中学生・家族・卒業生・招待者には積極的に開く」という半公開型文化祭が最も現実的だと思われる。
そして、入口で厳しくする代わりに、中に入った人には思い切り楽しんでもらう。それなら「ヤンキー集団は困る。でも文化部の生徒には満員の観客の前で発表させたい」という、一見矛盾する二つの要求をかなり両立できる。
文化祭を「地域に全面開放する日」から「学校が会いたい人を迎える日」へ変える。少子化時代の学校広報という観点から考えても、この方向は検討されていい。
ただし、その場合はもう「一般公開」とは言わないほうがいい。「誰に、何のために公開する文化祭なのか」まで学校が言葉にするのだ。

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