この夏、最大の説明会集中日が終わった。
 先生方お疲れさま。
 なのだが、実はまだ終わっていない。
 というのが今日の話だ。

◆次の行動に進んだか
 学校説明会を「イベント」と捉えると、どうしても当日の来場者数が評価指標になってしまう。しかし、生徒募集という観点から見れば、説明会は一つの通過点に過ぎない。本当に見るべき数字は、「何人来たか」ではなく、来た人がその後どれだけ次の行動に進んだかである。

 とくに重要なのは、説明会直後から次の接点までの期間だ。受験生・保護者は、その学校だけを見ているわけではない。今日はA高校、来週はB高校、その次はC高校という具合に比較を続ける。つまり、説明会当日に多少好印象を持ってもらえても、何もしなければ記憶はどんどん上書きされてしまう。

 そこで必要なのがフォロー戦術で、これはおおきく三つに整理できる。
 「記憶を残す」
 「次の行動を促す」
 「関係を切らさない」

 まず最も簡単なのは、当日中あるいは翌日の発信だろう。
 これまでも、その重要性について繰り返し述べてきた御礼メッセージであるが、「本日はご参加ありがとうございました」というだけでもいいが、それだけではちょっと弱い。
 「今日お話しした○○について、詳しくはこちら」「参加者から多かった質問はこちら」と、説明会の内容と結びつける。ホームページやInstagramで、「自分が参加した説明会」が学校側からもう一度提示されることで、記憶が補強される。 

 次に重要なのが、次の行動を明確に示すことである。説明会の最後に「次は文化祭へ」「次回は授業体験へ」「個別相談はこちら」と案内する学校は多い。しかし、本当に大事なのは、その場で言うだけではなく、後からもう一度提示することだ。

 さらに効果がありそうなのが、参加者限定の情報を一つ用意することだ。「本日参加された方へ」という形で、説明会で紹介しきれなかった動画、在校生インタビュー、学校生活の一日、入試Q&Aなどを後日公開する。「来てくれた人との関係がその日で終わらない」仕組みが重要なのである。

◆アンケート調査にも一工夫
 参加者アンケートはともすれば単なる満足度調査になりがちだ。
 「説明は分かりやすかったですか」だけでは、学校側の自己満足に近い。参加者は、「もしかしたら受ける学校」であるから、評価は「〇」に決まっている。
 
 そこで、
「今日もっと知りたかったことは何か」
「次に参加してみたいイベントは何か」
「本校についてまだ不安なことは何か」
 といったところまで踏み込んで尋ねてみる。
 たぶん皆さん、100%は満足されなかったですよね。じゃあ、不満だった30%はどこですか、何ですか。聞かなければならないのはそこだ。
 まあ、どこまで本音を引き出せるかは難しいところではあるが、尋ねてみる価値はある。

◆アフター説明会は研究途上
 説明会参加者の数は重要ではあるが、例えばの話、説明会に500人来て50人しか出願しない学校より、300人来て150人が出願する学校の方が、募集活動としては圧倒的に成功している。

 そのためには、一度来たら忘れられない学校にすることである。
 説明会当日で関係が終わってしまわないように関係を持ち続けることが重要だ。

 これまで学校広報では「事前広報」と「当日運営」まではかなり研究されてきた。
 その一方で、「説明会終了後の広報」あるいは「アフター説明会」は、まだ未開拓の部分が大きいようだ。
 また何か新しい課題を突き付けているように思われるかもしれないが、新しいイベントを一つ増やすより、すでに来てくれた100人、200人との関係を少しだけ延長し、僅かでも強化して行くことの方が、はるかに少ない労力で成果につながる可能性がある。人手不足の学校ほど考えてみてもらいたい。