この時期の定番記事である。
　埼玉県教育委員会は令和7年度入試の「学力検査結果・解説」を公表した。

　データは県立総合教育センターのサイトで見ることができる。
　このデータが必要なのは受験指導に当たる中学の先生や塾の先生方だろう。
　受験生が直に見てもいいが、ちょっとハードルは高いと思う。

入試選抜学力検査結果（令和7年2月実施）

　掲載内容は次のとおりである。
１　学力検査問題
２　採点の手引き
３　学力検査結果・解説
４　追検査問題
５　追検査問題採点の手引き

　学力検査問題及び追検査問題と、それに係る採点の手引きは入試実施直後に発表されている。
　したがって、新情報は「３　学力検査結果・解説」のみである。
　
◆標準偏差と得点分布
　各教科の標準偏差と得点分布が示されている。　
　4月に発表された平均点と合わせて見れば、7年度入試の傾向がより明確になってくるだろう。

　各教科の標準偏差（カッコ内は6年度）
　国語　19.10（19.49）
　社会　21.90（22.31）
　数学　19.27（18.96）
　理科　23.65（20.90）
　英語　18.20（22.49）
　数学・学校選択　13.41（13.44）
　英語・学校選択　17.02（12.17）

　得点分布グラフについては、7年度平均点が大きく上がった理科（50.8→63.7）と、逆に大きく下がった英語・学力検査問題（52.4→42.9）を紹介しておこう。

◆小問ごと正答率・通過率
　各教科の分析は次のような構成となっている。
（１）正答率
（２）問題の内容
（３）所見・解説

　正答率は、小問ごとに「正答」「一部正答」「誤答」「無答」の数と率、及び通過率が示されている。
　以下は国語の例である。

　国語は、毎年平均点の高い教科であるが大問4（古典）は小問4題のうち通過率がもっとも高いのが問4の51.0％。残り3題は32.9％、42.6％、44.9％と低い。配点は各3点計12点と決して高くはないが、ここで明暗がはっきり分かれているのではないかと推定できる。

　理科が大きく平均点を上げた原因はどこにあるのか。また、英語・学力検査問題が平均点を下げた原因はどこにあるのか。小問ごとの通過率などを見ればそのあたりも推測することができるだろう。

　塾の先生方は夏季講習が始まり忙しくなると思うが、時間のある時に元の資料に当たっておいてもらいたい。
　今回は、「出てますよ」のお知らせのみである。