埼玉県教育員会は10日、令和3年度公立入試における出題範囲を発表した。
 県教委による発表はコチラ↓
 「令和3年度公立高校入試学力検査の基本方針と出題範囲」
 それをダウンロードしたのがコチラ↓
 出題方針と出題範囲
 ↑この矢印でページが上下に移動するはず。

◆東京を上回る削減幅、もしかすると日本一
 正直、驚いた。
 せいぜい東京並みだろうと予想していたが、ここまで範囲を削ってきたとは。

 国語は、中3の漢字程度だろうと予想したが、中3の慣用句・四字熟語まで削ってきた。
 
 一番の衝撃は数学だ。「標本調査」が除外されたのは分かるが、「三平方の定理」まで除外してきた。が、ここまでは東京と一緒だ。
 ところが、さらに「円周角と中心角」、「相似な図形のうち、日常生活で相似な図形の性質を利用する場面」も除外だ。
 「円周角と中心角」はこれまでにもよく出題されてきたところだ。
 「相似な図形のうち、日常生活で相似な図形の性質を利用する場面」というのは分かりにくいが、昨年の学力検査大問3にあったような、電柱の高さを相似の考え方を使って解くような問題を指しているものと思われる。

 英語は、東京同様に関係代名詞の用法の一部だけかと思ったが、さらに「主語+動詞+whatなどで始まる節(関節疑問文)」も除外された。

 社会にもかなり驚かされた。「私たちと国際社会の諸問題」が除外されたのは、どの県もほぼ一緒だからこれは理解できる。
 驚いたのは「私たちの経済」をまるまる除外したことだ。
 ということは、公民で出るのは政治だけ?
 だとすると、それで公民25点というのは無理がありそうなので、地理や歴史の配点を増やすということか。

 理科も大幅だ。第1分野「科学技術と人間」、第2分野「自然と宇宙」。ここまではほぼ他県と同様。
 東京は「運動エネルギー」のうち「力学的エネルギー」を除外するが、それは出題範囲に入れている。 
 第2分野の「地球と宇宙」はまるまる除外したのも予想外だ。これで地学分野の出題が読みやすくなった。

 ここまでまとめると、除外範囲の広さは、関東では埼玉>東京>神奈川>栃木>茨城(千葉・群馬は未発表)ということになった。
 すでに発表された大阪や京都より除外範囲は広いようだから、日本一が狙える勢いだ。

◆中学校も塾も指導計画練り直しか
 塾の先生方からの情報によると、各中学校は猛烈な勢いで授業を進めているようだが、ここまで除外範囲が広いと指導計画は練り直しだ。
 全部終わらせる気で頑張っているのに、何か気勢がそがれるね。
 まあ、生徒はホッとしているかもしれないが、不十分なまま高校に入ることになるから、この緩さの「つけ」は後で払うことになる。

 以上、埼玉県公立入試出題範囲の速報だ。