また来たか「お友達内閣」。新しい内閣が発足したら、とりあえず批判するのがマスコミや野党の仕事であるから、それは構わないのだが「お友達」という表現はいい加減聞き飽きた。他に言い様はないものか。

 ここでの「お友達」とは、もちろん揶揄表現である。ずばり批判するなら、「派閥均衡内閣」とか「派閥順送り内閣」、あるいは「論功行賞内閣」とでも言うべきところ、皮肉を利かしたつもりで「お友達」という普通の大人なら使わない言葉で表現してみせるわけである。報道するマスコミが幼稚になったのか、受け取る読者・視聴者が幼児化したのか。

 他者を批判するとき、真っ向からの批判より、ちょっと斜めから皮肉を利かせた言い方をしたほうが効果的な場合もある。
 「あいつは知性に欠ける」と言うより、「おつむが弱い」の方が、相手を見下し、馬鹿にした感じが出せる。

 しかし、ユルーイ変化球が効果的なのは、豪速球あってこそだ。
 政治や経済や、安全保障や国際関係を真っ向から批判する。これが本来のマスコミの役割だろう。しかし、それ一辺倒だと読者や視聴者も疲れる。だから、時には皮肉をかましてやる。そういうものだ。

 所詮人事なんてものはコネなのであるが、それを仕方ないとあきらめてはいけない。誰かが言ってやらなければいけない。その意味で、批判的に論じるのはマスコミとして正しい態度なのであるが、毎度毎度「お友達内閣」では、何の批判にもなっていない。

 私は政治評論家ではないから詳しいことは分からないが、おそらくは最後の安倍改造内閣であるから、改憲問題を意識した人選になっているものと想像する。「改憲シフト内閣」だ。
 また、消費税率アップによる景気減速が懸念されるから、そのあたりに配慮があるかもしれない。対中国、対韓国はどうなのか。北朝鮮拉致問題や北方領土問題はどうなのか。

 日本が直面する諸問題に、この布陣で臨んで大丈夫なのか。批判するなら、そこだろう。「お友達内閣」で、何か言った気になっているとしたら情けないことだ。頼むぞマスコミ。