「中学校長、修学旅行で女性教諭と昼に飲食、『夕方までに抜ける』。いやー、実にいやらしい見出しのつけ方をするもんだね。読売新聞オンラインの記事。
 新聞の見出しは記者がつけていると思っている人もいるが、記者は記事を書くことだけが仕事で、紙面のレイアウトを考えたり、見出しやその大きさを決めたりするのは別の部署の人だ。

 見出しは記事の要約ではない。記事本文に読者を誘導するためのものだ。限られた字数の中でどうやって読者の気を引く見出しをつけられるか。そこが勝負だ。
 この見出し、「中学校長、修学旅行で飲酒」でもいいわけだが、「昼に」を入れることで、実にケシカランという印象になる。夜ならまだしも昼かよ。
 さらに「女性教諭と」を入れる。これは上手い。なにやらフシダラな印象になるじゃないか。とどめは「夕方までに抜ける」で、認識の甘さを匂わせる。

 記事の中身を見てみると、女性教諭は養護の先生。担任じゃないから生徒の班別行動の時は仕事がない。校長とか養護教諭はチェックポイントに立たせても生徒全員の顔と名前が分かっているわけじゃないから戦力にならん。基本、本部詰めだろ。で、宿にじっとしてても仕方ないから、ちょっとブラブラしてみるか。って、この程度はいいんじゃないの。

 飲酒とは利き酒だと書いてある。なんだ、試飲かよ。別に酒盛りしたわけじゃないんだ。まあ、盃5杯はちょっと多いかなと思うが、これが飲酒なら、試食は食事になる。金は払わないから無銭飲食。
 先生方、試飲・試食は立派な犯罪みたいですよ。注意しましょう。

 私もどちらかと言うと新聞寄りに位置する者だから、気持ちは分かるが、こんなこといちいち記事する必要あるかと思う。
 修学旅行の引率は大変なんだよ。24時間勤務だしな。多少の手当は付くが、そんなもんじゃ割りに合わんよ。行くまでの準備や事前学習にも膨大な時間がかかるしな。
 「修学旅行で京都?いいですね」
 バカ言うな。何百人引き連れてツアコンの仕事してどこが楽しいんだ。

 まあ校長もこのご時世にちょっと脇が甘かったとは思うが、修学旅行の話を取り上げるんだったら旅行中の先生の過酷な勤務とか、高騰する旅行費用とか、いくらでもあるでしょう。