本日は東京・新橋にて忘年会。付き合いの悪い私でも2~3回はこうした機会があるのだ。
 駅周辺に何か所か行列ができていた。寄付のために並んでいる人々だ。寒さの中、長時間並んでまで寄付をしようという奇特な人々。

 で、どんな寄付?
 と、列の前の方にある看板を見ると、「年末宝くじ、本日最終日」と書いてある。年の暮れの風物詩だ。

 以前にも書いたことだが、これは寄付である。そう思わないとばかばかしくて買う気にならない。
 たとえば競馬では75%が馬券購入者に払い戻されるが、宝くじで当選金に回されるのは45%程度だ。ギャンブルは胴元が一番儲かると言われるが、儲け過ぎだろう。
 
 1等は前後賞合わせて10億円だそうだ。
 当たれば嬉しいが、当たらないよ。
 だって当選確率は0.0000001%。この数字は日常生活レベルでは0%とイコールだからね。
 あなたが希望校に合格する可能性は0.0000001%と言われて、受かるかもしれない、受けてみないとわからないと考える人はまずいないだろう。ところが、宝くじではなぜかそう考える人がたくさんいる。その証明が長蛇の列である。

 宝くじで儲かるのは、まずは販売を一手に引き受けているみずほ銀行。最近は、経営が厳しくなっている金融機関が多いから、助けてやろうというのはいいことだ。
 宝くじの収益は地方公共団体に配分されるが、地方も税収が減って大変だからね。助けてやろう。
 あと、収益はいったん地方に入ったあと、官僚の天下り先である公益法人などにも配分されるんだね。でも、役人は世間から叩かれるばかりで可哀そうだから、この際助けてやろう。

 売り場に並ぶ人は、きっと心も懐も温かい人々なのだろう。そうでなければ確率ということをまるで理解しない人々だ。
 私も寄付だのチャリティだのに無関心というわけではないが、宝くじという名の寄付は、その行き先が不透明なので、積極的に協力することはない。