中学入試から大学入試まで。すでに始まり、これから佳境に入るというタイミングで飛び込んで来た新型肺炎のニュース。健康には自信がある私だが、念のためということで、電車の中などではマスクを着用し、帰宅後はキレイキレイで手を洗い、茶色い液体でうがいをしておるよ。

 さて。
 これからの勉強法。
 目の前に受験生験生がいて実際に指導されている先生方に向かっては、釈迦に説法するようなものであるが、私なりの考えを述べておこう。

 休む勇気
 勝負の直前、勉強はスローダウンするのがセオリーであろう。1週間前は勉強量・勉強時間はそれまでの半分以下に抑える。
 追い込みは、2~3週間前までに完了すべきであって、残り1週間は調整期間である。不安からいろいろ手を出したくなるが、絶対に不安が解消されることはない。なぜなら、一つの不安を解消できても、必ず新たな不安が生じてくるものだからだ。
 体調を崩したら、即休む。変に頑張って長引かせないことだ。

 選択と集中
 時間に限りがあるから、本番が迫った今、「やるべきこと」と「やらなくていい」ことの選別をしなければならない。そして、「やるべきこと」として選んだものだけに時間とエネルギーを集中する。
 「やるべきこと」に分類するべきは、あともう少しで得点になりそうな分野であり、単元であり、問題である。
 学力上位の生徒は、このあたり自力で選別できるが、中位・下位の生徒はこれができないので、強力かつ具体的な助言が必要だろう。

 あと1点
 この期に及んで、あと40点も50点も得点力を伸ばそうなどいうのは夢物語でしかない。それよりも、あと1点を取るための技術だ。あと1点を取ろうという精神だ。
 はるか昔、実際に採点し選考にも当たった経験から言うが、ボーダーライン上に不思議なほど並ぶのである。だから、入試では1点こそが大事なのである。
 過去問を解いて、残念間違った。でも配点少ないからまあいいか。こういう連中から順に落ちて行くのである。

 ボーダーで思い出したが、昔はびた一文負けないというわけで定員ピッタリの合格しか出せなかったが、近年、埼玉県公立高校入試では、むしろ積極的に定員以上をとるような状態が続いてきた。主に倍率が高い学校だが、たとえば360人定員であれば9クラス募集ということであるからプラス9人程度、320人定員であれば8クラス募集ということであるからプラス8人程度といった形だ。

 具体的な超過人数は学校ごとの判断のようだが、定員プラスアルファを合格させ事後的に倍率を低下させることは、いわば県教委の方針という形で行われていた。しかし、令和2年度については、複数の学校に取材したところでは、そのような強力な指示?は出ていない模様である。
 昔のように定員通りでびた一文負けないということはないにしろ、ここ数年来のように積極的に定員以上を合格させることはしないのかもしれない。ただしこれは、あくまでも私の受けた感触ではということである。まあ、「どうせ定員以上合格させるだろう」という甘い考えを持たない方が無難だろうとだけ言っておこう。