埼玉県が、学校再開についての方針を発表した。
 「県立中学校及び高等学校は、児童生徒が広域から通学していることを考慮し、4月12日まで休業期間を延長し、4月13日からの再開を目指すこととします」(埼玉県HPより)。

 ちなみに、近隣都県の対応は次のとおり。
◆千葉県
「万全の感染症対策の上、4月6日(月曜日)に開始できるよう準備を進めています」
◆神奈川県
「現時点において、県立学校については、4月6日の始業日以降2週間程度、臨時休業とする」。
◆東京都
 「春季休業の終了日の翌日から令和 2 年5 月 6 日までの間、臨時休業とする」。

 学校再開予定の早い順にまとめると次のとおり。
 千葉県  4月6日
 埼玉県  4月13日
 神奈川県 4月20日ごろ
 東京都  5月7日

 県立(都立)学校の場合は各都県とも全校が同じ対応となる。学校独自というのはない。

 以上が主に県立高校、都立高校の場合。
 では、小中学校はどうなるか。

 公立小中学校を管轄するのは市区町村なので、県(都)が決めるわけには行かない。方針を通知したり、要請したりはするが、対応は市区町村に委ねるのが建前だ。同じ県内(都内)でも、市区町村により対応が異なることもありうる。

 埼玉県では、政令指定都市である「さいたま市」が独自の方針を決めている。
 「臨時休業の期間は、5月6日(水)まで」。市内公立小中学校と、市立浦和高校、浦和南高校、大宮北高校、大宮国際中等教育学校が、これに該当する。

 私立学校に対しては、県(都)から要請があると思われるが、基本的には学校の独自対応となる。

 なんで県や市や学校によって対応が異なるの?
 という、生徒や保護者からの質問には、中学公民の教科書に載っている「地方自治」の考え方としくみをこの際、教えてあげよう。

 教育に関する国の責任は重く、役割も大きい。しかしながら、戦後の教育は、すべての権限が政府や文部科学省に集中してはいけないという考え方で進められてきたのである。完全に実現できているとは言い難いが、目指す方向はそちらである。

 でも、今は非常時じゃないの?
 その通りかもしれない。が、それでもやはり、政府がすべてを決定し、国民すべてがその決定に従うやり方を安易に肯定してはいけない。これが、私たちが大事に育ててきた民主主義というものだ。