本日のテキストはこれ。「新型コロナウイルス感染症対策としての学校の臨時休業に係る学校運営上の工夫について(通知)」。5月1日に文部科学省から各都道府県教委等に向けられた通知だ。それにしても役所の文書はタイトルからして長いな。

 新聞でも報道されたし、たぶんテレビのニュースやワイドショーなどでも取り上げられたと思われるので、内容的にはすでに皆さんご存知であろう。しかし、いつも言っているように元の資料を押さえておくことが大切だ。
 通知の構成は次のとおり。
 1 本通知の趣旨について
 2 最終学年等を優先した休業中の登校日の設定について
 3 人的体制の確保に関すること

 では、中心となっている「2 最終学年等を優先した休業中の登校日の設定について」をもう少し詳しく見てみよう。

 2 最終学年等を優先した休業中の登校日の設定について
  (1)分散登校日の設定について
  (2)各教科等の指導における感染症対策について
  (3)新型コロナウイルスに関する正しい知識の指導
  (4)学校給食(昼食提供)の工夫について
  (5)学校図書館の活用について
  (6)登下校の工夫について
  (7)出欠の取扱い等について
  (8)長期休業期間及び土曜日における登校日の設定等について
  (9)教職員の出勤について
 このような構成となっているが、関心のある部分は皆さんそれぞれ違うと思うので、必要な部分をお読みいただければと思う。

◆運動会・文化祭、修学旅行は中止か
 ここでは、「(2)各教科等の指導における感染症対策について」を取り上げる。
 この項、全文は次のとおりだ。

 「各教科等の指導については、以下に掲げるものなど感染症対策を講じてもなお感染の可能性が高い学習活動については行わないこと
 ・音楽科における狭い空間や密閉状態での歌唱指導や身体の接触を伴う活動
 ・家庭科、技術・家庭科における調理等の実習
 ・体育科、保健体育科における児童生徒が密集する運動や児童生徒が近距離で組み合ったり接触したりする場面が多い運動
 ・児童生徒が密集して長時間活動するグループ学習
 ・運動会や文化祭、学習発表会、修学旅行など児童生徒が密集して長時間活動する学校行事」

 こりゃ辛いわ。
 小中学校はもちろんだが、高校の音楽科や体育科や食物調理科はどうやって授業やるのよ。実技・実習を省いて単位認められるの?
 いくら授業時数の確保が優先だからと言って、運動会や文化祭も無しなんて、そんな学校生活耐えられない。
 ここには書いてないが、部活動だって同じ理屈でやってはダメよということになる。
 私が生徒だったら発狂するぜ。

 さあ、どうする。

◆味気ない学校生活では心がやられてしまう
 ここに掲げられた活動は「対策を講じてもなお感染の可能性が高い」とされているが、だったら大人の世界のコンサートや大規模イベントもダメだな。プロ野球やサッカーも無理。無観客でも選手同士は接触する。お料理教室も無理。カラオケなんてもってのほか。そもそも満員電車どうする。パチンコ屋は、キャバクラは。
 小中高生は、一番感染しにくく、重症化しにくく、死ににくい集団、つまり「対コロナ最強軍団」だよ。危ないのは大人、特に年寄りなんだけどね。

 「対策を講じても感染の可能性が高い」というのは、今まで通りのやり方ならそうなるということで、やり方を変えれば、十分な対策が可能になるかもしれない。また、状況は刻一刻変化しているので、今よりもさらに良い方向に転じる可能性だってある。
 教科指導の遅れを取り戻すことが最優先で、教科外活動はその次というのはその通りだろう。だが、毎日朝から晩までぶっ通しで座学中心の授業。実技・実習なし。行事も一切なし。これで児童生徒の精神面がもつだろうか
 適度な息抜きは必要だ。発散できる場面も必要だ。緩めたり引き締めたりの切り替えが必要だ。教科指導の能率を上げるためにもそのほうがいい。
 変化に乏しい、何の楽しみもない学校生活では、コロナは防げても別の精神的な病に冒されてしまうかもしれない。

 先生方の知恵に期待してる。いや、知恵を信じている。