昨日の埼玉新聞の記事は役に立ったが、今日のはダメだな。即ゴミ箱行き。ただ、記者もいろいろだなあ、という意味でブログネタにはなる。
 当該の記事は、17日付で「さいたま市でデジタル授業、学習格差の広がり懸念 ネット環境や保護者の付き添いに課題」というもの。

◆最初から批判ありきじゃダメだろう
 なお、紙の新聞の方では社会面に載っており、見出しは「学習格差 懸念の声も 低学年児に難しく 保護者『付き添い必要』」となっていた。 
 この記事を書いたのは編集部の杉野孝さんという記者なんだが(記事に署名があった)、私はこの人に会っている。
 14日(木)、私は埼玉新聞社の別の部署の人と、特集記事取材のため、細田眞由美・さいたま市教育長を訪ねた。で、さっそくインタビューと思ったら、「取材したい記者が来ているから、少し時間を欲しい」と言われた。いやいや、今とんでもなく忙しい教育長にやっとアポ取れたんだから、1分1秒も無駄にしたくないよと思ったが、同じ社の人間じゃ仕方ない。ということで、杉野記者の教育長への取材を傍で聞いていた。

 質問の始まりは、「保護者からいろいろ不満の声が出ているが・・・」
 おいおい、そこかよ。
 まあこれで、どんな記事を書こうとしているか100%読めたわけだが、案の定出来上がった記事は批判ばかりの記事だ。

 小2父親「一方的に教科書が読み上げられる映像。親がつきっきりでないと無理」
 小2小5母親「大人がいないと成り立たない。格差が広がる」
 など、否定的な意見ばかりを並べ、最後の方でほんの一行、「ありがたいし、取り組みは評価している」というアリバイ作りのような肯定的意見をちょこっと挟むが、結局は「でも、知識の詰め込みだけではないと思う。保護者がいないと難しい」と否定的にまとめる。
 完全に、市のやっていることを批判したいだけの記事になってる。

◆不備や不都合は最初から分かっていることだ
 政治や行政を批判するのはマスコミの使命というのは認めるが、最初から批判ありきじゃまずいよ。わかるかな、杉野記者。自分の主観とか主義主張を入れちゃいけないんだよ。事実を正確に伝え、賛否は併記するって習わなかったかい?
 デジタル授業の問題点はあらかた出尽くしていて、今はそれをどう克服するかが教育関係者の課題になっているわけだよ。不満の声を集めたり、不備を指摘している段階じゃないのだよ。視点がずれてる。そういう意味でこれは役立たずのクソ記事。
 紙の新聞の方では、後段の見出しが「市教委 課題見つけ改善へ 『再開後しっかり指導』」となっており、その中で細田教育長の発言も紹介しているが、今の段階ではこっちがメインでしょうに。
 教育委員会も、学校の先生も、もちろん塾の先生方だって、いろいろ問題が生じるのは分かっているけど、とにかく一歩踏み出そうという気持ちで、また子供たちのために自分らが出来ることは何でもやってやろうという使命感と責任感を持って、努力してるんだよ。いつか、そういう姿も紹介してやってくれ。

◆新聞こそ子供や親を応援してほしい
 それと、文句言いついでに、埼玉新聞社にお願いしておこう。
 同じ地元メディアのテレビ埼玉は、HP上に特設サイトを設けて「テレビで学ぼうStudy for you」というお勉強動画を流してるぞ。どこまで効果があるかは分からんが、応援サイトはあるんだ。
 で、埼玉新聞はどうなの?
 それらしいページどこにもないだろう。
 みんなが困ってるというのが分かってるんだたら、ちょっとは応援したらどうだ。
 ふだん、新聞を教材に使おうとか言ってたような気がするんだが、今こそ出番だ。頼むぜ埼玉新聞。