臨時休校期間中、学校はオンライン教育にいかに取り組んだか。その優れた実践報告が見られるサイトを紹介しておこう。
 コチラ。↓
 開智未来中学・高校による「最新オンライン説明会(ICT)」。YouTube動画です。

 この報告は、6月11日に実施された塾の先生を対象とするオンライン説明会の中で行われたものである。受験生・保護者向けではなく先生向け、すなわちプロ仕様の報告だ。 
個人的にはこのような報告を待っていた。

 報告者は加藤友信校長。加藤校長は企業や団体が主催するセミナーでも講師を務められているICT教育の第一人者であるから、どこかでお聞きになった方もいるだろう。
 同校のオンライン教育については、4月19日付ブログ「休校中の学習指導、開智未来中高の取り組みはかなり進んでいる」で取り上げた。このときはHP閲覧に基づく感想のようなものだった。
 今回、加藤校長の実践報告により、その背景や考え方、具体的な実施方法、今後の課題や方向性などが知れて、大変勉強になった。

◆いつまで議論を続けるのか
 公立の先生方からの予想される反応は、私立だから出来るのであって公立では無理というものである。
 たしかに全員がiPadを持っているのは私立ならではであり、公立が直ちにこのような環境を整備するのは難しい。しかし、デバイスはスマホであったとしても、現にGoogleのシステムを運用しているのであれば、その点では十分参考になるだろう。

 経験的に言えば、公立の課題は組織的な取り組みにできるかどうかという点にある。個人として見れば積極的な取り組みをしている先生もいるが、それが学年や教科あるいは学校全体としての取り組みにならない。

 議論が長すぎるのも公立の悪い癖だ。
 大事なことを教えておくが、議論で問題は解決できないんだよ。
 議論で問題はある程度明らかになる。やってみて初めて分かることが多いから、あくまでも、ある程度だ。
 問題は、実行しない限り解決はできない。議論の上では大問題であったことが実行に移してみれば大した問題ではなかったという経験は誰にでもあるだろう。「案ずるより産むがやすし」というやつだ。

◆報告に意味がある
 私立の先生方からの予想される反応は、わが校でもその程度のこと、あるいはそれ以上のことをやっているというものである。
 そうだろう。
 だが、誤解しないでもらいたい。冒頭私は「優れた実践報告」と書いた。この場合、「優れた」は「実践」に係るというより「報告」に係っている。むろん、実践そのものも優れているのであるが、「報告」してくれたことを高く評価し、感謝しているのである。
 皆さんの優れた実践を、是非さまざまな場面で報告していただきたい。