ユニクロのセルフレジというのを初体験してきた。いやー、驚いた。
 コロナの影響で近所のユニクロが休業していたこともあり、もっぱらオンラインストア利用だったので、この変化を知らなかった。
 買い物を終えて、いざレジへ。が、店員が誰もいない。
 よく見ると、セルフレジと書いてあり、機械が数台並んでいる。
 物は試しだ。やってみるか。

 まず会員証の読みとり。これは有人レジと同じだ。 
 商品は一点ずつコードを読みとらせるのかと思ったら、買い物カゴごとドサっと置くシステムだ。
 すると、あら不思議。モニターに購入した全商品がズラズラと表示される。
 オマエ、どうやって読み取った。適当にバサッと置いたのに、なぜ読める。
 後で調べたら、RFID(Radio Frequency Identification)タグという、Suicaみたいな非接触で情報を読み取るシステムらしい。
 あとは、現金でもカードでもその他でも、いろんな方法で会計できる。
 購入した商品は、用意されている紙袋に自分で詰めて、はい終了。

 いいじゃないか。気に入ったよ。
 人と喋るのが嫌いな私にピッタリだ。
 買い物の中身をいちいち店員に見られなくても済むのもいい。
 コンビニやドラッグストアも早くRFIDタグ方式になって欲しい。

 企業がこういう新しい機器やシステムを導入する場合、人件費削減とか人手不足解消とか、はっきりとした目的がある。
 つまり、コストを抑え、売り上げを伸ばし、利潤を極大化するためだ。
 
 学校が新しい機器やシステムの導入に消極的なのは、おそらく企業における「利潤極大化」に相当するような組織としての行動原理が明確になっていないからだろう。
 今般のコロナ禍において、塾の行動が比較的早かったのは、さまざまな法や規制から自由であるということもあるが、いかに顧客を確保するかという明確な行動原理があったからだろう。
 私立学校も非営利という点では公立と同じだが、生徒確保という強い動機がある。

 新しい機器やシステムの導入が進まないのは、予算がネックなのか。
 たしかにそれもある。
 しかし、導入を阻んでいる最大の理由は、強い動機と明確な目標がないことではないか。
 私には学校経営の経験がないので、想像の域を出ないが、たぶんそうではないかと睨んでいる。

 他所がやっているからとか、これが流行りだからというのでは、強い動機や明確な目標にはなり得ない。
 うちはうちだ。他人を真似てもしょうがない。教育は流行りでやるものではない。そう言われておしまいだ。
 
 私の知る限りでは、新しい機器やシステムの導入がうまく行っている学校には、強い動機と明確な目標がある。
 だから、何でこんなことしなくちゃならないんだよとか、意味ねえよとか言う先生がいない。いても少数。

 少し遠回りな気もするが、我々はどういう人間を育てるのか、そのためにどんな教育が必要か、そういうところから攻めて行ったほうが、結果は早く出るんじゃないか。
 昔先生、今民間人の私から見て、先生のやる気とかポテンシャル(潜在力)が民間企業社員より劣っているとは思えない。