昨日の記事で県立浦和の大学合格実績は過去15年遡って見ることができると書いた。ここまで古いデータを載せている学校はめずらしい。こういうのを見せられると、ついグラフ化してみたくなる。
 それで何かが分かるかどうかは、やってみないと分からないが、予想される結果は、やや頭打ちか下降線をたどっているというもので、少なくとも右肩上がりではないだろう。

 では、行ってみよう。
◆東京大学
 まず東大合格者だ。

 グラフ化すると。

 2006年から2020年までの15年間の平均合格者数は次のとおりだ。
 現役 13.7人
 浪人 17.9人
 合計 31.5人
 予想通り浪人の割合が高い。このあたりが私立中高一貫校との違いと言えるだろう。
 現役の最多は2013年の20人、浪人の最多は2012年と2013年の26人だ。
 合計が40人を超えたのは、2012年(40人)、2013年(46人)、2019年(40人)の3回だ。

 ちょうど15年分あるので、試しに5年ごとの平均を算出してみた。
 2006~2010年 合計29.4人
 2011~2015年 合計35.2人
 2016~2020年 合計30.0人
 真ん中の2011~2015の平均が高いのは2012年、2013年が好成績だったためだ。
 直近の5年間で見ると、2016年と2018年が22人と低迷したが、2019年と2020年はやや盛り返している。
 来るべき2021年は過去平均31.5人以上をキープして踏みとどまるか、または40人超えで再び上昇に転じるか、はたまた30人を下回り長期低落に向かうか。30人というあたりを一つの目安として2021年の結果を注目したい。

◆京都大学
 次に京大合格者だ。

 グラフ化すると。

 こちらはやや右肩上がりと言えそうだ。
 15年間の平均は、
 現役 4.0人
 浪人 5.5人
 合計 9.5人

 5年ごとの平均を見てみると、
 2006~2010年 合計6.4人
 2011~2015年 合計8.6人
 2016~2020年 合計13.6人
 確実に増えている。ただし、これは浦高にとって好ましい状況とは言えないだろう。

◆東京工業大学
 理系に強い(はずの)浦高としては、東工大の増減も気になるところである。

 グラフ化すると、

 15年間の平均は、
 現役 5.0人
 浪人 9.0人
 合計 14.0人

 5年ごとの平均を見ると、
 2006~2010年 合計17.2人
 2011~2015年 合計13.6人
 2016~2020年 合計11.2人
 明らかに低下傾向にある。ちなみに2020年は浦高13人に対し、大宮15人である。

◆一橋大学
 理系の東工大が減っている分、文系の一橋大が増えているのだろうか。

 グラフ化すると、
 
 15年間の平均は、
 現役 5.4人
 浪人 8.7人
 合計 14.1人

 5年ごとの平均を見ると、
 2006~2010年 合計9.8人
 2011~2015年 合計16.8人
 2016~2020年 合計15.6人
 右肩下がりの東工大に対し、こちらはやや増えているか、現状維持といったところ。
 2006~2010年では、東工大合格者が一橋大合格者を上回っていたが、2011年~2015年及び2016~2020年においては、一橋大の方が多くなっている。

◆東北大
 ついでと言っては何だが東北大も見ておこう。

 グラフ化すると、

 15年間の平均は、
 現役 13.1人
 浪人 12.1人
 合計 25.3人

 5年ごとの平均を見ると、
 2006~2010年 合計17.2人
 2011~2015年 合計25.6人
 2016~2020年 合計33.0人 
 僅かだが現役の平均が浪人を上回っているのが特徴と言えそうだ。
 5年ごとの数字を見れば明らかなように、東北大は右肩上がりだ。しかし、これも浦高にとって好ましい状況とは言えないだろう。

 以上が本日の調査結果。

 東大合格者は何とか全国20位以内に踏みとどまっている。公立としては都立日比谷に次ぐ実績だ。周りは全部私立や国立だ。
 よく頑張っていると言えばそうなのだが、この状態がいつまで続くか。
 繰り返しになるが、京大や東北大が増えるというのは県下トップ校としては好ましい状況ではないだろう。
 志が低いのか、力が不足しているのか。

 全国トップを争っていた東工大でも、県内トップの座を大宮に奪われている。これも浦高にとっては由々しき問題と言えるだろう。