昨日の記事で「まさか、まさかの定員割れ」と紹介し、今からでもいい、尽くせるだけの手を尽くせとハッパをかけた川口北が、さっそく追加説明会実施を発表していた。
結果を見れば、「もうちょっと早くからやっておけよ」となるわけだが、それは次年度に向けての言葉だ。
ダメで元々と割り切って、やってみればいい。
川口北高校ホームページへ
さて、今日の話題はかなりマニアックなので、一般の方はスルーしていただこう。
主に、公私立高校の募集担当者向けである。
埼玉県内市町村ごとの【県外希望者】【県内私立希望者】【公立希望者】の実数と割合を見てみる。
生徒募集上の地域戦略を立てる場合の参考にしていただければと思う。
ベテランの皆さんはすでに経験的に傾向をつかみ、戦略に取り入れていると思うが、最新のデータを紹介しておくのも悪くないだろう。
今回は132万都市さいたま市から人口わずか1021人の東秩父村まで県内全市町村を見て行く。
◆卒業予定者数トップは当然「さいたま市」
中学校卒業予定者数は、ほぼ、その市町村の総人口順である。
表が見にくいと思うが、その場合、元データは第2回進路希望状況調査結果の第11表というところにある。
◆県外希望者割合トップは「蕨市」
県内の公私立ではなく、県外の公私立を希望している者の人数とその割合である。
実数ではやはり卒業予定者数の多い市町村(青のアミカケ)が上位を占める。
割合で見ると、蕨市を筆頭に和光市、戸田市、朝霞市、三郷市、川口市、八潮市、所沢市といった東京都隣接か、東京に近い年が上位に並ぶ。
基本都内私立希望だと思われるが、三郷市の場合は千葉県公立も含まれるはずだ。
◆県内私立希望割合は周辺部市町村ほど高い
ここでも実数では都市部が上位を占める。
卒業生数の割りに県内私立希望者の割合が少ないのは春日部市くらいだ。
割合で見ると、美里町を筆頭に鳩山町、志木市、東秩父村、ときがわ町、毛呂山町、小川町、寄居町、越生町と、「町」が並ぶ。例外は志木市。
町に公立高校が無いか、または、あっても1校という地域が中心。
注目は、都市部の川越市が比較的上位にあること。公立の数も多いが、それに劣らず私立の数も多く、私立を選びやすい環境である。
◆公立希望割合が高いのも周辺部市町村
繰り返しになるが、実数では都市部が上位を占める。
県外希望や県内私立希望の割合が多ければ、相対的に公立希望の割合が低くなる。
公立割合が高いのも、どちらかと言えば周辺部の市町村で、都市部では春日部市、上尾市、熊谷市などの公立希望割合が高い。
春日部市内には春日部、春日部女子、春日部東、春日部工業があるが、今回調査では揃って定員割れか、定員割れスレスレ状態であるから、公立希望者の目は市内より市外に向いているということになる。
熊谷市も、熊谷、熊谷女子、熊谷西、熊谷農業、熊谷工業、熊谷商業と学校数は揃っているが、倍率が芳しくないところをみると、やはり公立希望者の目は市内より市外に向いているようだ。
川口市は、川口市立があれだけの希望者を集めていながら、全体としては公立希望者の割合が少ない。人口県下第2位の60万都市でありながら、私立高校が1校も存在しないという、ある意味特殊な地域であり、東京への近さも手伝って都内私立志向が高くなっているようだ。
と、こんな具合で、その市町村にある公立高校・私立高校の数とレベルと多様性、あるいは周辺地域へのアクセスの良さ、悪さなど、さまざまな事情が絡み合って、市町村ごとの特徴が形成されているようだ。
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