当然のことだが相変わらず新幹線はガラガラである。見渡したところ、一車両(80席)に私含めて6人。みなビジネス客と思われる。
 新型コロナが終息すれば、この閑散とした風景は消滅し、元の賑わいを見せるのだろうか。おそらく、観光・旅行は100%回復するだろう。長い自粛生活の反動で、多くの人々が外に飛び出すから、こちらは問題ない。外国人観光客も戻ってくる。

 だが、ビジネス需要は100%回復とはならないだろう。
 この一年間の経験で、打ち合わせ、会議、商談、全部オンラインで出来ることが分かったから、何も遠くまで出かけて行く必要がないと人々は考えるようになった。出張全廃とはならないが、今回はオンラインで済ませましょうというのが増えてくるから、新幹線や飛行機が今まで以上にビジネス客で溢れかえるということは二度とない。

 むろんコロナ以前から、とっくにオンラインに切り替えていた企業や個人もあったわけだが、打ち合わせや会議は相手あってのことだから、向こうが超アナログ人間であった場合は昔ながらの方法をとるしかない。
 現にいま私が新幹線で移動しているのも、関西方面での打ち合わせのためなのだが、中身的にはオンライン会議で十分可能な内容だ。ただ、メンバー全体の中でもっともリテラシーが低い人に水準を合わせざるを得ないので、結果伝統的手法が採用される。

 何でも新しいものが良くて、古いものは全部ダメとは思わないが、時代の流れというものがある。
 人は若ければ若いほど過去の経験が少ないわけで、その分成功体験も少ない。経験が少なければそれを判断基準にすることはできない。どんどん新しいものに飛びつけるのはそういう理由がある。
 ところが、年を取れば取るほど過去の経験が増え、その中に成功体験も含まれ(たぶん半分は自分の思い込み)、それが判断基準になる。新しいものに否定的なのはそういう理由がある。

 年寄りの知恵はあなどれないのであるが、トップが己の成功体験だけを頼りに物事を決定しているようでは組織の将来は暗い。
 今盛り上がっている森元首相の一件も、そういうことであり、世間が辞めろと騒ぐ気持ちは大いに理解できる。

 それはそうと、車両の中でパソコン打つのはやはり疲れるなあ。若い人は平気でやっているみたいだが、目の疲れも肩の凝りも、いつもより激しい。
 スマン、とりとめない話だったが(いつもだろうのツッコミはなしで)、このへんで終わらせてもらう。
 (アイキャッチ画像は本日撮影したものである)