やれ中1ギャップだ、やれ小1プロブレムだとにぎやかなことよ。
 新しい環境にうまく適合できない事態は自分自身でも、また親としても経験済みだ。
 皆さんも多かれ少なかれ経験されていることだろう。
 私はさらに教員(高校)としてもこうした事態に遭遇している。

 さて、今日のニュースはこれ。
【独自】学習態度・学力ばらつき「小1問題」解消、文科省が5歳児に「教育プログラム」(読売新聞オンライン7月6日)
 

 文部科学省が、小学校入学時の学習態度や学力の差をなくすため、5歳児向けの共通教育プログラムを作る方針を決めたというニュース。

 小1のクラス人数をうんと少なくするとか、担任を二人以上つけるとか、小学校の体制を整えたほうが早いと思うが、それではダメなのか。

 たぶん、幼稚園や保育園では対応できないし、不十分ということで民間教育の出番となる。
 まあ新しいマーケットが生まれるわけだから、それはそれで結構なことだが、むしろ格差が広がり、解決どころか新たなプロブレムの発生につながりそうだ。

 小学校入学前とか、小学校中学年あたりは、いわゆるお受験とか、中学入試以外は手つかずの状態になっているから、市場として開拓する余地はある。

 「うちは、お受験はしませんから」
 いやいや、就学前から学習態度を身につけ、基礎的な学力をつけておかないと小学校に入った瞬間から落ちこぼれてしまいますよ。
 不登校やいじめの原因になるかもしれませんよ。
 小学校に入ってからでは手遅れです。その差は中学校、高校、大学と上に行くほど広がりますよ。
 なので、うちの教材を使いましょう、うちの幼児教室に通いましょう。

 と、まあこんな風になるわけだ。
 こういう子たちは、と言うか、こういう子たちの親は中学入試に関わらず小学時代からの塾通いを受け入れるだろう。

 これから中央教育審議会で議論が始まるということだが、その行方を注目しておこう。