高校入試でよく使われる「内申書」「内申点」。これ「調査書」のこと、という認識でいいかな?
高校入試に際して、中学校から高校に提出される書類は基本これだけだから、「内申書」=「調査書」でいいね。
実際には、中学校ごとの一覧表とか、特例等に係る申請書類とかさまざまあるわけだが、全員共通かつ必須の書類は「調査書」だけ。
私は公立高校教員だったが、入試実務上で「内申書」という言葉を使ったことはない。
まあそういう書類は存在しないのだから当然だが。
さて。
「調査書」の様式については、高校の先生方は仕事上見慣れているし、塾の先生も嫌と言うほど目にしているだろう。
両者の違いは、高校の先生は中身が記載された「調査書」を目にしているが、塾の先生方は通常中身が記載された実物を見ることはないという点だろう。
どっちにしろ、「調査書」とは何者であるかはよく分かっている。
問題は保護者や受験生本人だ。
特に保護者。
何か得体の知れない特別な書類なんじゃないか、わが子に不利な内容が書かれているんじゃないかと恐れている。
だからさ、心配なら公表されている資料なんだから自分の目で確かめなさいよ。
塾の先生方からも言ってやってください。お願いします。
この書類のどこに、子供に不利になることを書くわけ?
成績は事実だから仕方ない。
あとは部活動等の記録の欄に学級委員をやっていたとか、生徒会役員をやっていたとか、部活で優勝したとかを書く。
その他の欄には英検何級とかを書く。
高校側は、それらについて、学校独自の基準で得点を与えて行く。
念のためだが、得点化して行くということは加点するだけであって、減点はしない。
出欠の記録というのが気になる人もいるかもしれないが、今も言ったように、調査書は加点に用いることはあっても、その内容によって減点することはない。
というか、公立の場合、出欠の記録は選考には用いない。
ただ、私立推薦入試の場合、出願条件に欠席日数を定めていることが多いので、もっぱら私立入試用だ。
宿題を忘れるとか課題を出さないとか、授業態度が悪いとかは「各教科の学習の記録」には反映されるだろうが、これは仕方ない。
先生に反抗的だとか、校則を破るとかについては、それを書く欄が「調査書」の中にはない。
万一、アホな担任がその他の欄あたりに無理やりそういうことを書いたとしても、最終的には中学校長がチェックして押印するからそこで止まるだろう。
さらに万万が一、そこをすり抜けても、高校側には生活態度を得点化したり、ましてや減点する基準や手順は定められていないから無視するしかない。
というわけだから、いわゆる内申に響くというのは、書類に不利なことを書かれるということではなく、各教科の成績(評定)に響くかもしれないということだね。
通知表の成績は定期考査の点数だけで決まるわけじゃないから、授業やその教科に取り組む態度が大事ってことだ。
最後に。
調査書の様式は、どこでも大した変わりはないが、都道府県ごとに微妙な違いはあるようだ。
参考までにお隣千葉県と、神奈川県の様式は以下のとおり。
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