世界銀行は、新型コロナ禍で学校が休校となり、それによる学力低下で生徒が生涯を通じて得られるはずだった収入を失い、世界全体で損失額が17兆ドル(約2千兆円)に上る可能性があるとの試算をまとめた。
まあ、サラッと流していいようなニュースであるが、一応教育がらみなので、少しだけ見てみよう。
学力低下で2000兆円損失 コロナ禍で生涯収入減、世銀警鐘(2月7日共同)
◆世界銀行について
世界銀行は5つの機関により世界銀行グループを形成している。
単に世界銀行と言う場合は、国際復興開発銀行(IBRD)を指すことが多い。
国際復興開発銀行(IBRD)は、中学校の公民教科書にも国連の専門機関として掲載されていると思う。
主に途上国援助などを行っている。
◆世界銀行で働く日本人
現在300人以上の日本人が世界銀行グループのスタッフとして働いているそうだ。
世界銀行のHPに以下のような記事があった。
世銀で活躍する日本人スタッフのインタビューシリーズ「世銀スタッフの横顔」
銀行と言うから金融関係の人ばかりかと思いきや、さまざまなジャンルの専門家が活躍している。
何となく目を通していたら、上級オペレーションズ・オフィサーの神田千世さんのインタビュー記事が目に留まった。
その中に「熊谷市で小中高と地元の公立校に通い~」とあったので、これはもう熊谷女子高校出身で間違いないだろうと思い、今度は同校のHPを調べてみた。
やっぱりあった。
卒業生による進路講演会 講師:神田千世さん
昨年(2021年)10月のことだ。
当日はスリランカとオンラインでつないで実施されたという。
最近は倍率も低迷し、何となく冴えない熊女だが、こうやって世界を舞台に活躍している先輩たちが大勢いるわけだ。
熊女、頑張れよ。
熊高もな。
話がニュースからやや逸れた。
◆どうやって試算したんだ
学校が休みになって学力低下がみられた。
そこまではとりあえずいいとして、それが生涯年収の低下につながるというのは、一体どういう計算式なのか。
そのあたりを聞いてみたいが、式を示されても、たぶん私には理解できないだろう。
ただ、学力と年収にはある程度相関がありそうだから、そうかもしれないなとは思う。
◆各校はぜひ検証を
2021年度はそうでもないが、2020年度はかなり長期にわたり学校が休校となった。
突然のことで学校側も準備不足、経験不足であり、十分な手当てを行なえなかった。
小中高は何とか対面式授業を行ったが、大学は1年中オンラインだった。
こうしたことが学力低下をもたらしている可能性は大いにある。
高校は、昨年、今年とコロナの影響を受けた新入生を迎える。
入学直後におそらく定点観測的に学力試験を行っていると思うので、実際にどの程度学力低下が見られるのか、あるいは見られないのか。
そのあたりをぜひご教授お願いしたい。
◆やり残したことはぜひ高校で
今度高校に入る新入生は、丸々2年間、コロナ下での中学校生活を送った。
今度中学校に入る新入生は、小学校高学年を丸々コロナ下で過ごした。
部活も学校行事も思う存分にはできなかった。
勉強もさることながら、これらの影響も大きいと思う。
「失われた2年間」を取り戻す。
これが学校に課せられた大きなテーマだ。
実験って面白いよね。
合唱って楽しいよね。
みんなでやるとぜーんぶ楽しい。
運動会も、文化祭も、修学旅行も、フルスペックでやると一生忘れられない思い出になる。
学力が低く集団行動も苦手で、何事にも前向きになれない「コロナ世代」なんて呼ばせてはいけない。
彼らには何の責任もないのだから。
私はよく企業関係の皆さんに申し上げている。
教育がうまく行ったとき、その果実を受け取るのは社会であり企業である。
一方、教育がうまく行かなかったとき、そのつけを払うのも社会であり企業である。
マスコミがコロナで煽るのは結構だが(いや、結構じゃないか)、結局そのつけは将来自分たちが払うんだぜと言っておこう。
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