志願先変更後の倍率予測の続編である。
 変更の意志がある方はすでに行動を起こしていると思われるので、今さら感はある。
 が、時が経つと忘れてしまうので個人の備忘録として残しておきたいと思う。

 志願先変更の方向性は二つある。
 一つは、より確実な合格を目指しての変更だ。
 もう一つは「チャレンジ」を目指しての変更だ。
 ただ、チャレンジするなら当初の出願段階からそうしているだろう。
 ここはやはり、より確実な合格を目指しての変更が主流と見るべきだ。

 昨日は、2月14日現在の倍率が1.20倍以上である学校についてであった。
 今日は、それ以外の学校だ。

◆1.10倍以上は上昇半分、低下半分
 1.20倍以上だと志願先変更によって倍率が低下する例が多いが、1.10倍台だと上がる学校と下がる学校が半々ぐらいになる。
 今回、14日時点で1.10倍以上だった学校は16校ある。

【東部】
 越谷西  1.17
 久喜   1.12
【西部】
 朝霞西  1.17
 新座柳瀬 1.14
 狭山清陵 1.13
 ふじみ野 1.11
【南部】
 伊奈学園 1.19
 大宮光陵 1.17
 川口   1.16
 大宮南  1.15
 上尾南  1.11
 大宮北  1.10
【北部】
 深谷第一 1.17
 本庄   1.15
 熊谷西  1.14
 鴻巣   1.11

 現在これらの学校に出願している受験生の中に、定員割れを期待していた人はいないだろう。
 昨年、大宮南とふじみ野が、僅かに1.00倍に届かなかったが、それ以外は概ね1.10~1.20倍だったので、低倍率を期待した人は多かっただろう。
 そして今回、期待通りの低倍率となっている。
 したがって、いま現在これらの学校に出願している人には、志願先変更するべき積極的な理由は見当たらない。

 これら16校のうち、昨年志願先変更により倍率を下げたのは、上尾南(1.09→1.00)、朝霞西(1.25→1.23)、越谷西(1.03→1.02)、狭山清陵(1.12→1.11)、新座柳瀬(1.18→1.12)、大宮北(1.35→1.33)の6校である。特に低下が著しいのは上尾南と新座柳瀬の2校で、今年も同様な動きになるかもしれない。

 大宮北は学校選択問題採用校となったことで倍率を大きく下げている。昨年1.35倍だった学校が1.10倍であるから、いま現在出願している人にとってはチャンスであり、動く理由は見つからない。学校選択問題というハードルがあるので、倍率が上がるとしたら蕨、浦和西、川口北といった上位の学校からの流入があった場合だ。ただ、上位校狙いの人ほど簡単には志望校を変えないので、大きな動きとはならないだろう。
 
◆1.00倍以上は上昇傾向
 1.00から1.09までの学校は27校ある。
 上がるか下がるかの判断は難しいところだが、どちらかと言えば、やや上がる学校が多いだろう。

【東部】
 草加東  1.09
 草加南  1.08
 草加   1.06
 春日部東 1.05
 草加西  1.05
 杉戸   1.05
 三郷北  1.03
 羽生第一 1.00
【西部】
 所沢中央 1.09
 志木   1.08
 鶴ヶ島清風1.07
 所沢西  1.06
 坂戸   1.04
 坂戸西  1.04
 日高   1.03
 松山   1.00
【南部】
 浦和北  1.07
 大宮武蔵野1.06
 上尾鷹の台1.05
 上尾   1.04
 川口青陵 1.03
 桶川   1.00 
 川口東  1.00 
【北部】
 熊谷女子 1.07
 熊谷   1.06
 秩父   1.05
 妻沼   1.01

 この中で、前年同期倍率が1.20倍を超えていたのが、上尾(前年1.23)、坂戸西(前年1.21)、志木(前年1.29)、草加東(前年1.20)、所沢中央(前年1.25)の5校だ。前年が比較的高めだったのでその反動もあるだろう。地域では一定の人気を保っている学校であるから、今回の低倍率を見てチャレンジする人もいるかもしれず、これ以上の低下は考えにくい。

 前年同期倍率が1.00倍を割っていたのが、桶川(前年0.87)、坂戸(前年0.99)、杉戸(前年0.86)、草加(前年0.99)、鶴ヶ島清風(前年0.94)、日高(前年0.96)、松山(前年0.90)、妻沼(前年0.75)の8校だ。今年も定員割れを期待していた人にとっては、予想以上に高かったというところだろう。

 松山は理数科が志願者66人、倍率1.65と高めに出ている。理数科志願者の多くが第二希望を普通科としていると仮定すれば、実質的には1.00倍を超えていることになる。
 
◆0.90倍以上は微妙
 現時点で19校(コース1含む)が0.90~0.99倍である。
【東部】
 春日部女子0.98
 越谷東  0.98
 八潮・体育0.98
 栗橋北彩 0.97
 松伏   0.97
 宮代   0.97
 八潮   0.97
 鷲宮   0.94
 八潮南  0.90
【西部】
 飯能   0.99
 朝霞   0.96
 川越初雁 0.95
 松山女子 0.93 
 川越西  0.92
 富士見  0.92
 小川   0.91
 新座   0.90
【南部】
 なし
【北部】
 北本   0.95
 深谷   0.92

※松山女子は、1日目(14日時点)では0.93倍だったのでここで取り上げたが2日目(15日時点)の集計では1.06倍となっている。

 ここまで来ていれば1.00倍まであと僅かであるから、定員割れ状態から脱することができそうだが、実はそうはならない。
 昨年は0.90倍以上の学校が15校あったが、そこから1.00倍を超えたのは3校だった。
 定員割れは基本全入であるから、そこを狙っている受験生もいる。0.90倍というのは、下手をすれば?1.00倍に到達してしまうかもしれない数字だ。だから、変更先にするのは案外リスキーなのである。

 朝霞、春日部女子、川越西あたりは変更により1.00倍に到達するかもしれない。川越西は昨年0.88から1.01まで上げた。
 それ以外の学校は、現状維持となるか、1.00倍超えとなるか、微妙なところだ。

◆0.80倍以上は上昇
 現時点で7校(コース1含む)が0.80~0.89倍である。
 
 岩槻   0.89
 日高・情報0.88
 庄和   0.87
 児玉   0.85
 和光   0.85
 大宮東  0.83
 白岡   0.81

 岩槻が1.00倍に到達するには30人ほどの増加が必要だが、志願先変更による増加は、1校当たり多くても20人程度という前年の例からして、定員割れ状態を脱するのは難しそうだ。
 同様の計算をすると、大宮東は46人、庄和は25人、白岡は31人、和光は24人の増加がないと1.00倍に到達しない。したがって、多少の倍率上昇は見られるものの、定員割れ状態を脱する可能性はきわめて低い。
 児玉は39人募集で現在33人、日高・情報コースは40人募集で現在35人。あと僅かで1.00倍に達するが、前述のように、こういうケースほど敬遠されやすい。定員割れ状態を脱するかどうかは微妙なところだ。

◆0.70倍以上は上昇
 現時点で3校が0.70~0.79倍である。
 前年は8校あったが、今回は3校に減っている。
 
 桶川西  0.77
 上尾橘  0.75
 岩槻北陵 0.75

 前年は8校のうち6校が上昇、1校が変化なし、1校が低下(実人数では1人減)であった。
 ここから定員割れ状態を脱した学校はなかった。
 よって、0.05ポイント前後の上昇は見られるものの、1.00倍を超えることはないだろう。

◆0.70倍未満は上昇
 現時点で10校(コース4含む)が0.70倍未満である。
 
 鴻巣女子 0.68
 蓮田松韻 0.68
 飯能南  0.68
 大宮光陵・外国語0.63
 越生   0.59
 三郷   0.58
 松伏・情報0.55
 児玉・体育0.50
 鳩山   0.41
 飯能南・スポーツ0.20
  
 前年はここから定員割れ状態を脱した学校はなかった。
 それぞれ0.01~0.05ポイント程度の上昇は見られるだろうが、1.00倍を超えることはないだろう。

 明日17日から志願先変更だ。
 途中経過も発表されるが、2日目が終わり、数字が確定してからまとめ記事を書く予定だ。