日曜夜のことである。
 この日は、いつ寝入ったか覚えていない。
 いわゆるバタンキューというやつだ。
 気づいたら朝になっていた。

 さては夕方に飲んだ「ヤクルト1000」が効いたか。
 って、そんなわけない。
 薬じゃあるまいし、そんな急に効き目が現れたらむしろ恐ろしい。
 たぶん、午前中久しぶりに長い距離を走ったからだろう。

 品薄状態が続き、ネット上で高額転売されている「ヤクルト1000」。
 火付け役はマツコ・デラックスだという噂だ。
 何かの番組で「美味い」「毎日飲んでいる」と発言したらしい。
 
 テレビの情報番組で健康に良いなどと紹介されると、コンビニやスーパーの棚から商品が消える。
 こういうのは年中起きている現象だが、一時のことだ。
 消費者の関心は、明日は別の商品に移っていく。

 しかし、今度のはメーカーが生産体制を変えるというほどの大事になっている。
 近頃、睡眠市場というか快眠市場が活性化しているという背景はあるにしても、とんでもない影響力だ。
 当代きってのインフルエンサー。
 マツコ・デラックス恐るべし。

 と、ここまでは長い前置きで、インフルエンサーの話である。
 インフルエンサーとは、世間に与える影響力が大きい人。
 そうした人物を利用して企業が広告宣伝活動を行うのが、インフルエンサー・マーケティング。
 
 今までだったら、テレビに出るタレントだけがインフルエンサーだったが、現在はユーチューバーもこれに加えられるだろう。
 InstagramやTwitterで多くのフォロワーを抱えている人たちも。

 という時代であるから、学校関係者の皆さんも、インフルエンサー・マーケティングというものをちょっとばかり考えてみてはどうかと思う。
 直接の発信よりも、第三者による発信の方が効果を発揮する場合があるのだ。
 
 学校の場合、市場となる地域が限定され、年齢層も限定されている。
 したがって、マツコ・デラックスのような巨大なインフルエンサー(体のことではない)である必要はない。
 マイクロ・インフルエンサーで十分だろう。

 実はこれ。
 昔流に言うなら「口コミ」である。
 わが校は予算が無いから、口コミで・・・
 こんな話をこれまで何度も聞いてきた。

 そう、確かに「口コミ」は効果がある。
 が、それには正の効果と負の効果の両方がある。
 悪口では困るのだ。

 学校にとって正の効果がある人物を見極め、その人物と適切かつ良好な関係を築き上げ、そこに向かって積極的に情報発信して行く。
 ただ、ボーっと待っていても「口コミ」は広がらないのだ。

 令和の「口コミ」、インフルエンサー・マーケティング。
 これは、なかなか面白いテーマだ。

 追伸。
 単に個人記録として書いておくが、今日で71歳となった。
 厚生労働省の簡易生命表によれば平均余命は、あと15年ほどだ。
 60歳の時は、10年以内に自分が死ぬことは想像できなかったが、今なら想像できる。