本日の調査は、入学者に対する県外中学校出身者の割合である。
 公立は基本県外からの受験は出来ないので、私立のみの調査である。
 (公立も隣接県協定に基づく県外中学校からの入学者がいるが、これについては別に調査する)

 私立は主として部活強化のために県外から優秀選手を大量に集めているのではないか。
 という疑惑?があるので、今回調査はそれを検証する目的もある。

 個人的には、学校の政策として、それもありではないかと思っている。
 それに、いくら好きなことのためとは言え、15歳で親元を離れ、見知らぬ土地で生活を始めるなんて、相当な覚悟が要ると思う。
 本人も大変だが、送り出す親だって心配でならないだろう。
 頑張れよ、と応援したい気持ちだ。
 ただ、行き過ぎた勝利至上主義はいかん。
 それと、県からも多額の補助金が出ているわけだから、県民ファーストであるべきだろうとも思う。

 では、さっそくデータを見てみよう。
 元資料は昨日同様、埼玉県教委による「令和4年度 高等学校入学状況調査」である。

◆県外中学出身者の割合が高い学校
 
 10%を超えるのは15校(科)である。
 併設中学校からの入学者は、県内中学校出身者にカウントされているので、その点に注意は必要だ。

 10%を超える学校のうち、慶応志木・早大本庄・武蔵野音大附・東野・自由の森学園・秀明・立教新座・栄東あたりは「部活狙い」とは考えにくい。
 ゼロとは断言できないが、いても少数ということで、これらは除外し、残る7校について、もう少し詳しく見て行こう。
 東部地区の花咲徳栄や昌平は千葉・茨城から、北部地区の本庄東や本庄第一は群馬からの入学者が多いと予想できる。
 これらの学校は、地理的条件により、部活抜きで隣接県からの入学者が増えやすい。

 具体的に見て行こう。
 東京・群馬・茨城・栃木・神奈川の関東各都県と、その他の道府県からの人数だ。
 

 全国からと言うなら、とりあえず「その他(の道府県)」注目するのがいいだろう。
 東京や神奈川をどう見るかという問題があるが、それを差し置けば、最も多いのは埼玉栄(保健体育科)で18人だ。
 県外出身者の25.7%、保体科入学者全体の6.3%が関東以外の道府県出身者ということになる。

 次いで多いのが昌平の14人。
 県外出身者の13.6%、入学者全体の2.5%が関東以外の道府県出身者となる。

 3番目に多いのが花咲徳栄の13人。
 県外出身者の15.7%、入学者全体の2.5%が関東以外の道府県出身者となる。

 聖望学園と狭山ヶ丘は東京から、本庄東と本庄第一が群馬からが多いのは、地理的条件という面が強そうだ。

 こうして見ると、「全国から」というほど、広範囲から入学者があるわけでもないようだ。
 というか、数多あるスポーツ強豪校を差し置いて、埼玉の学校を選んでもらうのは、難しいことなのだと分かる。

 さまざまご意見はあろうが、部活狙いであれ、大学進学狙いであれ、埼玉の学校に入りたい、埼玉に住んでもいい、という生徒が一定数いることは決して悪いことではない。
 と、個人的には思う。
 他県勢に押し出されて、埼玉県民が他県に通う羽目になるのは行き過ぎだが、今の人数であれば、私の中では許容範囲だ。