結果はともあれ、早く発表して欲しい。
 受験生の皆さんは、そう思っているだろう。
 埼玉県の合格発表(入学許可候補者発表)は3月3日(金)である。
 土日祝日を除いて試験終了から合格発表まで中4日。

 これが早いのか、遅いのか。
 関東各県を見てみよう。
 【中〇日】は土日祝日を除いた日数だ。
 2日目に面接等を実施している場合は、その日を検査終了日とみなしている。

●埼玉県
学力検査2月22日(水)
面接等 2月24日(金)
合格発表3月3日(金)
【中4日】

東京都・第一次募集及び分割前期
学力検査2月21日(火)
合格発表3月1日(水)
【中4日】

神奈川県・共通選抜
学力検査2月14日(火)
面接・特色検査等2月14日~16日(木)
合格発表2月28日(火)
【中6日】

千葉県
学力検査2月21日(火)・22日(水)
合格発表3月3日(金)
【中5日】

群馬県・後期選抜
学力検査等3月8日(水)、9日(木)
合格発表3月16日(木)
【中4日】

栃木県・一般選抜
学力検査3月8日(水)
合格発表3月14日(火)
【中3日】

茨城県
学力検査3月3日(金)
特色選抜等3月6日(月)
合格発表3月14日(火)
【中5日】

 と、まあこんな具合で、埼玉県が特に時間がかかっているというわけでもないようだ。

 記号が多く、記述・論述が多いと採点に時間がかかる。
 上位難関校ほど受検者数が多く、かつ優秀な子が多いから記述・論述にも対応してくる。
 したがって採点に時間がかかる。
 一日では終わらないだろう。

 募集人員が少ない学校ほど倍率が出ない傾向が見られる。
 受検者が少なければ採点の枚数も少ないわけだが、先生の数も少ないはずなので、それほど楽ではないだろう。
 ただ、記述・論述に対応できない子が増えるから、その分時間は短縮できるかもしれない。

 部分点の与え方は各学校で決める。
 先生方も受験生と一緒で、当日になって初めて問題を見るわけだから、採点作業に先立ち、具体的に部分点をどう与えるかを検討しなければならない。
 埼玉県では学力検査当日の夜、「採点の手引き」を公開している。
 私が現役のころは、部外秘か取扱注意だったかで、一般公開はしていなかった。
 「採点の手引き」には「内容に応じて部分点を認める」としか書かれていない。
 だから、この内容だったら何点、ここまで書けていたら何点と、採点基準を定め、それを採点者全員で共有しなければならない。
 結構時間のかかる作業だ。

 答案用紙は、採点作業時以外は金庫で保管する。
 採点作業は、大会議室などで一か所に集まって行われる。
 試験科目に無い5教科以外の先生は暇だろうと思われるが、そうは行かない。
 いずれかの教科に配属され、専門性が問われない部分の採点に当たる。
 1枚の答案用紙を最低でも3人が見るのが普通だろう。

 定員に満たない学校では、基本全員合格なのだが、だからと言って採点に手を抜くようなことはしない。
 「ああ、これが解けない生徒が入ってくるのか」などと思っているかどうかは分からない。

 採点が終わったら点数を入力する。
 私の現役時代は、すべて手書き、手計算だった。
 実に非効率なやり方だったが、一つ良かったのは、必ず間違いがあるだろうという前提で見ていたことだ。
 今でも完全に機械頼みにせず、人間の手と目でチェックをしているはずだが、どこかに機械は人間より正確だろうという思い込みがある。
 ここが注意のしどころだ。

 調査書点は学力検査に先立って点数化してある。
 これに学力検査点や面接・実技点を加え合計点を出し、選抜会議のための資料を作成する。
 この作業は一部の係の仕事だ。
 選抜の仕方はあらかじめ決まっている。
 事実上の合否はこの段階で決まるといっていいだろう。

 合格発表の前日が選抜会議となる。
 その後は、ネット発表、掲示発表の準備だ。
 
 といった手順なので、やはり4日とか5日は必要なのかなと思う。
 今の時代、土日返上で働けとは言えないし、急いでミスされても困る。

 受験生の皆さん、もう少しの辛抱だ。