埼玉県公立入試、明日(3月3日)は、いよいよ合格発表である。
 県では、合格発表ではなく「入学許可候補者発表」と言っている。
 普通の会話ではどっちでもいい。

 私は明日、某県立高校に発表風景を取材に行く。
 某などともったいをつけることはないな。
 川越女子だ。
 県が今年の取材先候補として挙げている中の一校だ。

 入試関係の記事を書く際に写真(イメージカット)が必要とされるケースが多い。
 その時用に写真を撮っておく。

 昔は掲示発表だけだった。
 貼りだされた瞬間、歓声が上がる。
 跳んだり跳ねたり抱き合ったり、喜びいっぱいの姿を収める。
 この手の写真撮影では、とにかくシャッターを切りまくる。
 100枚くらい撮っておけば、1枚や2枚使えそうな写真があるかな。
 そんな感じ。

 ただ、こうした風景はそろそろ見納めだろう。
 いずれインターネット発表だけになると予想されるからだ。
 今年の入試でも午前9時にネット発表があり、掲示発表は10時だ。

 昨年は所沢北に行ったが、学校にやって来るのはネットで合格を確認してきた人がほとんだだった。
 書類の受け取りなどがあるから、学校には来なければならない。
 県のHPにも「入学許可候補者は、3月3日(金)午前9時から正午まで及び午後1時から午後3時までに、受検票を持参し、志願先高校で書類等を受け取ってください」と書かれている。

 せっかくだから掲示板の前で記念写真を撮ろうかという人は多かった。
 中には、ネットが混みあってつながらないし、家から近いので直接見に来ましたという人もいた。たぶん自信があったのだろう。

 そんなわけで、喜ぶ親子みたいな写真がかろうじて撮れるのが今の合格発表だ。
 しかし、これからは、入学の手続きなど一切がネットで完結するようになるだろう。
 現に私立中高ではそのようになっているところが多い。

 今の若い人には信じられないだろうが、昔は受験番号だけでなく氏名まで掲示されていたのだ。
 しかも、その日の埼玉新聞に高校ごとの合格者氏名が載った。
 個人情報とかプライバシーという考え方や言葉自体がなかった昭和の話だ。

 今の公立の発表は合格者番号(受験番号)が一覧できる方式だが、これもいずれはID・パスワードを入れて本人だけが閲覧できる方式に切り替わるだろう。
 私立はすでに実施済みだ。

◆私立にとっても重要な日
 公立の合格発表は私立も注目している。
 正確には、発表そのもではなく、その後の受験生の動きだ。
 残念ながら不合格だった人は、この後行われる欠員募集に応募するか、併願で合格している私立に正式手続きする。
 早い話、学費を振り込む。

 併願合格者のうち、どのくらいが手続するかを、「併願の戻り率」などと言ったりする。
 全県平均だと14~15%といったところだろう。
 つまり1000人の併願合格者の中で実際に入学するのは150人ほどということだ。
 あくまでも平均なので、30%近い学校もあれば10%以下の学校もある。

◆欠員補充は学校ごと
 募集人員に満たなかった学校は、欠員補充を実施する。
 二次募集ということだ。
 1人欠けていれば1人、10人かけていれば10人を募集する。
 募集人数はすぐに発表される。
 ただ、同一日の一斉実施とはならず、検査日程や方法は学校により異なるので注意が必要だ。

 明日は午前中の取材を終えたら、各校の合格状況などのまとめ記事を書くつもりだ。