岩槻高校の塾対象説明会に行ってきた。
私立の塾説については、以前からそろそろ止めてもいいだろうと言ってきた(と思う)。
いちいち塾訪問するのは大変だから、申し訳ないがお越しいただく。
そもそもはそんな集まりだったと思う。
だが実際には塾訪問もしている学校が多いわけで結局二度手間になっているだろうと言うのが私の考えだ。
そんな中、埼玉県では今頃になって公立の塾説が盛んになってきた。
実は私自身、陰でそそのかして、ではなかった、お勧めしているわけで、言ってることとやってることが違うではないかと責められても仕方ない面もある。
しかしながら、公立高校の、とりわけ中堅校と言われている学校の情報があまりにも少ないので、しばらくの間、こうした動きを見守ろうと思っている。
◆ホスピタリティ精神に欠ける公立
慣れていないのが一番の原因かと思うが、公立はホスピタリティ精神に欠ける。
「おもてなし」の欠如。
別に接待しろとか歓待しろとかではない。
一応、ゲストとしてお迎えするのだから、それらしい対応の仕方というものがあるだろうという話だ。
私立だったら、駅でプラカード持って出迎えるとか、途中道案内を立てるとか、スクールバスを出すとか、足(アクセス)の問題からまず気遣う。
公立はそこまで人手をかけられないという事情もあって、自分で考えて来いという態度。
塾の先生は大人だし、塾生たちに行き方を教える立場だからそれでもいいが、これが対生徒の説明会だったら、私立との印象の差はものすごく大きなものになるだろう。
岩槻高校の場合、SNSで事前に「行き方動画」を流していた。
また、自校ホームページでも写真入りで経路を紹介していた。
これは良いアイディアだ。
明日、塾対象説明会実施します
タイトルだけ見てスルーした人がいたかもしれないが、ここに道案内がある。
「塾説参加の先生方へ、念のため道案内」みたいなタイトルだったらもっと良かった。
岩槻駅から近くまでバス利用という先生もいたが、学校側はそのあたり想定していなかったかもしれない。
◆プレゼン、説明はさすが先生
プレゼン力みたいなものは、さすが先生だけあって、この点では公立も私立も差はないと感じた。
関根憲夫校長は、岩槻の現状について、良くない点は率直に認め、良い点は決して誇張せず淡々と語った。
これは好印象だ。
ただ、念のために言っておくが、私は関根校長とは、彼がまだ校長にも教頭にもなっていない一般教員の時代から交流がある。なので、かなり贔屓目。
岩槻は令和8年度に統廃合により新校となる。岩槻北陵との統合という形を取るが、県が発表した新校の概要や基本方針を見れば、現岩槻高校の教育内容が発展的に継承されることになるだろう。
関根校長は、自身の年齢から考えて新校スタートの段階で自分はこの場にいないだろうと述べている。間違いない。
だから、それまでにしっかりとこの学校の底上げを図るのが自分の役割であり、いい形で後継者に託そうと思うと述べた。
この人、腹が座っている。
進路指導の説明は若手の先生が担当した。
はっきり言って説明は未熟だが、情熱は伝わった。
若いうちは技巧に走ってはいけない。
だから、これはこれでいい。
◆見たいのは生徒
説明会後、校内見学の時間が設けられた。
ほとんどの参加者が残った。
ごく普通の公立高校にわざわざ見てもらうような施設設備なんてあるわけない。
むしろ見せたくないくらいだ。
だが、こうして多くの参加者がぞろぞろと付いて回るのは、生徒の様子を見たいからだろう。塾の先生方だって、そこはプロだから、生徒や先生方の様子を見れば、学校の中身は一発で分かる。
同校は連日のように校内の様子をHPやSNSで発信している。
それを見る限り、賑やかで楽しそうな学校だ。
今日は実物を見たが、そのままだった。
岩槻高校公式Instagram
◆フォローは完璧
説明会を終え、知り合いの塾長さんらと昼食して帰って来たが、その時にはすでにHPに今日の塾説が記事掲載されていた。
「塾対象学校説明会を実施しました」(13時アップ)
このスピード感は私立にも負けていない。
◆今年の岩槻高校は
昨年高倍率(普通科1.21、国際文化科1.15)だったので、今年はその反動があるだろう。いわゆる隔年現象だ。
まだまだ「入りたい学校」として選ばれるより、「入れる学校」「入れそうな学校」として選ばれているのが実情だ。
ここには大きな壁がある。
そこを乗り越えて、「新・岩槻高校」となってもらいたいと思う。
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