これでまた先生の希望者が減るのではないかと心配になるニュース。

 市立小プールの水、6日間流し続けて損害190万円…市教委は校長と担当教諭に半額請求(読売新聞オンライン 8月11日)

 川崎市教育委員会は市立稲田小学校(多摩区)で6日間にわたり水を流し続けるミスがあったと発表した。
 流出した水はプール約6杯分(約2200トン)。
 損害額は約190万円。
 市教委は、作業を担当した教諭と上司の校長に過失があったとして、損害の5割にあたる約95万円を二人に請求した。

 市教委としても思いつきでこのような措置を取るはずはないので法的な根拠があるのだろう。(私には詳しいことは分からないが)
 たしかにミスはミスであるし、賠償責任が個人に及ぶこともあるが、それにしてもお気の毒なことである。
 日頃から繰り返し行っている作業なら別だが、プールに係る作業など使用期間から考えて年に数回だろう。
 機器の操作を誤るのも無理はない。

 この手のミスは個人に注意喚起してもまた起こる可能性がある。
 システムで解決する方法を考えるべきだろう。

 ということで、皆さんご意見さまざまあろうが、この件はここまで。

◆水泳指導は民間に移行すべき
 さて、ここからはそもそもという話だが、小中学校(特に小学校)にプールは要らないのではないか。
 水泳指導は民間のスイミングスクールに任せばいいからだ。
 むろん、それが可能な地域からであるが、条件が整ったところから民間委託する。

 体育では残念ながら事故がよく起きる。
 長距離走や器械体操でも起きるが、特に水泳でよく起きる。
 
 自分が実際に泳げて、かつ事故対応にも習熟している先生がそれほど多いとは思えない。
 かつては小学校の採用試験に水泳があったと思うが、それとて求められるのは25メートルを泳げるかどうかだ。
 最悪、命の危険にさらされる種目なのに指導する側がこの程度では心もとない。

 その点、スイミングスクールでは専門家が指導している。
 学生アルバイトもいるかもしれないが、泳ぎは得意だし、緊急対応の講習なども受けているだろう。
 ド素人の先生より、はるかにましだ。

 水泳指導を民間に委託することにすれば、学校にプールが要らなくなる。
 水泳の授業でプールを使うのは6月中旬から9月上旬までだろう。
 その間、夏休みがあるので授業に用いられるのは実質1か月程度だろう。
 稼働率から考えて、極めて無駄が多い。

 問題は委託を受けるスイミングスクール側がペイするかどうかだ。
 学校や教育委員会が、それほど高額の委託料を用意できるかというと、そこは難しそうだ。
 ただ、指導をうけた子供がスイミングスクールに入会してくれる可能性はある。
 また、当然ながらスイミングスクールは温水プールであるから、時期は夏に限定する必要はなく、比較的空いているシーズンに利用するという手もある。あるいはまた、利用者が少ない平日午前中を学校の授業にあてて年間稼働率を上げられるかもしれない。

 現に民間委託を実現している市町村も少ないながらあると聞いているので、この際、水泳指導の民間委託という方向で議論を進めてみたらどうかと思う。