入試戦線「秋の陣」の話題である。
 生徒募集をめぐる学校間の戦いを「秋の陣」と名付けた。
 時期は10月後半から11月末まで。

 10月末に第1回進路希望調査の集計結果が発表される。
 (昨年は10月31日)
 初めて倍率というものを目の前にして、受験生の心は揺れ動くだろう。
 このまま志望校を変えずに進むか、自信がないのでややランクを下げるか。
 どちらにせよ、学校選びは今までとは比べ物にならないほど現実味を帯びたものになる。
 そういう中での「秋の陣」である。

◆11月11・18日は説明会集中日
 11月中旬以降の土日には多くの学校の説明会が開かれる。
 特に11日(土)、18日(土)に集中している。

 日付ごとに調べてみた。
 なお、(説)は説明会、(個)は個別相談、(OS)はオープンスクール、(授業)は公開授業、(部活)は部活体験、(体)は体験授業である。
 学校ごとイベント名称は異なるが、今回は以上のように統一した。
 詳しくは各校HPでご確認いただきたい。

◆11月11日(土) 61校
【東部】
 春日部(説・授業)春日部東(説・授業)久喜(説)栗橋北彩(説)越ヶ谷(説)越谷北(説)越谷西(説)白岡(説)鷲宮(説・部活)杉戸農業(説)久喜北陽(OS)
【西部】
 越生(説)川越(説・授業)川越女子(説)川越初雁(説)坂戸(説)所沢北・理数(体)所沢中央(OS)所沢西(説)新座柳瀬(説)飯能(OS)松山(OS)和光国際(説)市立川越(説)所沢商業(説)
【南部】
 上尾(説)上尾橘(説)上尾南(説)浦和(授業)浦和一女(説)浦和北(説)浦和西(説・授業)浦和東(説)大宮・理数(説)大宮光陵・普通(説)大宮東(説・授業)大宮南(説)大宮武蔵野(説)川口北(授業)川口青陵(説)南稜(説)鳩ヶ谷(OS)与野(見・授業)市立浦和(説)浦和南(説・授業)岩槻商業(体)浦和商業(説)
【北部】
 北本(説)熊谷女子(見)鴻巣女子(説)本庄(授業)深谷商業(説)寄居城北(個)
【私立】
 国際学院(説・個)埼玉栄(説・個)西武台(説)東京成徳大深谷(説)武南(説・個)星野女子部(説・個)細田学園(説・個)武蔵越生(説・個)

◆11月12日(日) 7校
【西部】
 芸術総合映像(体)
【私立】
 秋草学園(説・個)春日部共栄(説)埼玉平成(説・個)自由の森学園(説)花咲徳栄(説・個)星野共学部(説・個)

◆11月18日(土) 54校
【東部】
 春日部女子(説)越谷東(説)杉戸(説)庄和(説)草加(説)草加西(説)草加東(説)草加南(説)不動岡(説・授業)三郷(説)三郷北(説)宮代(説)八潮南(説)羽生実業(体)越谷総合技術(説)幸手桜(説)
【西部】
朝霞西(個)入間向陽(説)川越南(見)狭山清陵(説)所沢(説・授業)日高(説)川越工業(体)狭山経済(体・説)芸術総合・音楽(体)滑川総合(説)
【南部】
 伊奈学園(説)伊奈学園・芸術系(体)岩槻(説)浦和西(説・授業)大宮光陵・美術(説)桶川西(説)川口(説)川口市立(見)大宮北(授業)いずみ(説・体)
【北部】
 熊谷(見・授業)熊谷西(個)鴻巣(説)深谷(説)深谷第一(説)秩父農工科学(個)進修館(説)熊谷商業(説)小鹿野(説)
【私立】
 浦和麗明(説・個)開智(説・個)埼玉栄(説・個)栄北(説・個)城北埼玉(説・個)正智深谷(説)西武台(説)東京農大三(説・個)本庄第一(説・個)武蔵越生(説・個)

◆11月19日(日) 15校
【西部】
 川越西(説)坂戸西(説)鶴ヶ島清風(説)
【私立】
 浦和学院(OS)大宮開成(個・説)狭山ヶ丘(説・個)秀明(説)昌平(説・個)西武文理(説・個)東京農大三(説・個)獨協埼玉(説・個)花咲徳栄(説・個)山村学園(説)山村国際(説・個)立教新座(説)

◆11月25日(土) 37校
【西部】
 小川(説)川越(説・授業)志木(説)所沢中央(説)新座(説)松山(説)松山女子(説)新座総合技術(説)
【南部】
 浦和(授業)浦和一女(説)大宮(説・授業)大宮光陵・音楽/書道(説)大宮武蔵野(個)川口北(説・授業)川口東(説)蕨(説・授業)市立浦和(説)大宮北(説)常盤(説)
【北部】
 熊谷女子(見)児玉(説)本庄(説)妻沼(説)熊谷農業(体)熊谷工業(見)
【私立】
 青学大系属浦和ルーテル学院(説・個)浦和麗明(説・個)開智未来(説・個)川越東(説)城西川越(説・個)西武台(説)聖望学園(説・個)東京農大三(説・個)星野共学部(説・個)本庄第一(説・個)武蔵越生(説・個)

◆11月26日(日) 12校
【東部】
 三郷工業技術(説・体)
【私立】
 秋草学園(説・個)大宮開成(個・説)大妻嵐山(解説・個)開智(説・個)開智未来(説・個)埼玉栄(説・個)埼玉平成(説・個)栄北(説・個)武南(説・個)星野女子部(説・個)立教新座(説)

 以上である。
 外部会場で行われるものや、私立の個別相談(単独開催)は割愛した。
 この後、12月16日(土)にもう一山あるが、これだけまとまった数の学校が一挙に説明会等を実施するのは今シーズンこれが最後である。

◆私立個別相談は確約だけではない
 私立のほとんどは説明会と個別相談会との同時開催となっている。
 初めての人は学校説明会、すでに説明会に参加したことがある人は、説明会は省き、直ちに個別相談という形をとる学校も多い。

 私立の個別相談は、世にいう「確約」の場となっているのだが、公立の先生方は、ここをちょっと誤解しているかもしれない。

 仮に「確約」というものがあったとして、では、それを手にした生徒が全員志願し受験してくれるのかという問題である。
 今日確約を出したとしても、来週別の私立に行って確約をもらい、実際にはそちらに出願してしまうかもしれないのである。
 確約で安心を得られるのは受験生の方であって、学校ではないのだ。

 いくらお墨付きをもらっても、気の進まない学校は受けたくない。
 ということはつまり、個別相談は、受験生の悩みに答え、不安を解消してあげて、高校生活に期待をもってもらい、「よし、ここにしよう」と決意してもらう場なのだ。
 確約はそれを後押しするための強力な材料となる。

 さてそうなると、「公立は確約できないから個別相談は不要」という考えでいいのかという話になってくる。

 個人的には「秋の陣」の天王山である11日・18日の説明会では、「よし、ここにしよう」と決心してもらうための場として、公立も個別相談の場を用意したほうが良いと思うのである。
 天王山のこの日、数ある学校の中から選んで来てくれたのである。
 ただ説明だけで返してしまうのはもったいない。
 少しでも悩みや不安を解消してあげて、「この学校に受かるために頑張るぞ」と前向きな気持ちになって帰ってもらおう。

 と、こういう話をすると、「公立に本気になられては困る」と言い出す私立の先生が出て来るかもしれない。
 だが、大丈夫。 
 こんな話、10年も20年も前から言い続けているのだ。
 で、本気になった学校はあったか?
 まあ私自身の信用の無さとか説得力の無さが第一の原因と思うが、本気になる学校なんて、そうそう出て来るものじゃない。